意志力は無限でない
意志力は、出さずに、減らす事。の続き
彼女が途中からケーキを喰いまくったのは、彼女の意志力が弱いからでしょうか。
当初は我慢できていますから、彼女に意志力があるのは確実です。
我慢を実行する能力は有しています。
つまり、能力はあるのに、途中からできなくなってしまった(やらなくなってしまった)という事。
弱い意志力など存在しない
ここの解釈は大事です。
「自分は意志力が弱い・無い」、と思い込んでいる人
と、
「本来できる筈の事を、発揮できない状態に陥っている」と考える人
では、結果に差が出ます。
前者のように思えばそのようになり、後者のように考えれば改善策を模索するのではないでしょうか。
前者の場合、それが虚構であっても、いわゆる学習性無力感によって虚実を混ぜて自信をなくし、無力を裏付け、弱い自分を信じる事で、真実へと追い込まれてしまうのです。
これは恐い事です。
前者と後者の、現状は、同じです。
しかし、僅かな解釈の違いで、将来は大きく違うものになるかもしれません。
実際には「弱い意志力」自体は確かにあると思いますが、弱いかどうかは相対的で、確かめようがないので、
弱い意志力などないと考える方が良いですし、正しいです。
意志力を意識している時点で、諦めて開き直っている人より意志力があるのは明らかです。
(このページを読んでいるなら、つまり、意志力がある)
強弱の問題でなく、自分の中にある意志力を、どう使うかの問題です。
意志力は有限
意志力は、限りある資源と考えた方が適切な行動が取りやすくなります。
※注:意志力は血中のブドウ糖(グルコース)がエネルギー源と言われていますが、これは、量でなく安定性の問題です。
ブドウ糖を沢山摂取すれば意志力が上がる(量が増える)というのは間違いで、食後はむしろ意志力が低下します。
「限り有る」と表現した理由は、意志力が物質から生産される有限性のものである限り、合理的なアプローチでコントロール可能(コントロールすべき)というニュアンスを伝える為です。
故スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグが、毎日同じ服を着ることで決断数を減らしているのは有名ですが、
このように意志力は節約するのものであり、できるだけ使わないように心がける事が重要です。
意志力は在庫があって、消費されるもの。
意志力を、水に例えるなら、ペットボトルの水です。水道水や海の水ではありません。
水質の事を言っているのでなく、一定期間における残量の問題なのです。
有限なので、配分と計画が必要です。
世界企業のトップでさえ些細な意志力を節約し、日々の決断に備えていますから、
いくら誰にも迷惑をかけない個人トレーダーだとしても、意志力の無駄遣いは辞めた方が賢明です。
意志力は体力と同じようなものなので、使っても使っても減らない意志力セレブのような状態は無いと心得ましょう。
温存し、適切に発揮するのが、トレーダーの仕事(自己管理)のひとつです。
意志力在庫管理
あなたにも、日々、頑張っているものが有るはずです。
意志力はそこで盛大に使われています。
さんざん意志力を放出した後に、「じゃあもうひとつ意志力を。」と言われても、無いものは無いわけです。
「本日の意志力は終了しました」「閉店ガラガラ」状態です。
意志力の再入荷
意志力は次の日に復活する事も多いですが、ひどい時は次シーズンまで入荷しない事だってあります。
そういう時は自分の胸(店)に手を当て「意志力 はじめました」というポップが出されるまで待たねばなりません。
相場で負ると、結構、シーズンを跨ぐ事も多いです。
そうなると、ブランクが空き、筋力は低下し、再開にはより意志力が必要になるという悪ループ。
本人は「頑張っている・充実している」意識はある(事実、頑張っている)ので、この無限ループに気づけないか、気づいても「もっと頑張る」事になります。
しかしそれはハムスターくんのガッツであり、状況は前進しない上に、やがて力尽きる可能性が高いです。
意志力を按分せよ
話がそれましたが、意志力は有限なので、使いすぎを防ぎ、どこに使うかを考える方が良いという事。
朝一の意志力が10だとして、どこと、どこに、配分するでしょうか。
ゲームや飲酒にも意志力は消費していますから注意が必要です。
禁酒中に「今日は飲もうか、飲ままいか」なんて悩んだ時点で意志力-1です。
挙句、飲んでいるなら、意志力をドブに捨てたようなものです。
意志力残高が低い状態ではトレードに入らない事です。
正しいトレードができない可能性が高まるからです。
必要時に必要量の意志力を使う為に、不要時の不必要な意志力の浪費を避けて、備える必要があります。
では、意志力残高を保つにはどうすれば良いか
次回、 決断しない決断が、決断力(意志力)を保つ へつづく