テクニカル分析の分析
近代トレードで勝つ為には、チャート分析が不可欠です。
チャート分析は大別すればトレンド認識(≒環境認識)とタイミングを見極める作業です。
基本は、方向性+タイミングがあっていれば、勝ちます。
「タイミング」はさらに最低2つのタイミングに分けられます(エントリー・エグジット)が、エントリー時点でエグジット目標(ターゲット)も決めている場合、分析作業は一度でまかなえます。
より柔軟に相場に対応するには、エントリー後もチャートを監視し適時建玉コントロールする事が好ましいですが、
ここでは初心者向けに、トレードに最低限必要な、トレンド認識・エントリー・エグジットの3要素と勝敗の関係について表にしてみました。
「トレンドとタイミングが合っていれば勝てる」と言うと、簡単そうに聞こえますが、
表にすると勝パターンは意外に少ないのが解ります。
補足:厳密には「トレンド認識」と「環境認識」は異なります。トレンド認識は環境認識のいち要素ですが、ここでは解り易くする為「トレンド認識」と表現しています。
「トレンド認識+タイミング」の良し悪しと、トレード結果の関係表
※表は横一行単位で見てください
「トレンド認識 + エントリー + エグジット = 勝敗」となります
トレンド認識 | EN | EX | 勝敗 |
○ | ○ | ○ | ◎ |
○ | ○ | ✕ | △ |
○ | ✕ | ○ | ○ |
○ | ✕ | ✕ | ✕ |
✕ | ○ | ○ | △ |
✕ | ○ | ✕ | ✕ |
✕ | ✕ | ○ | △ |
✕ | ✕ | ✕ | ✕✕ |
最も良いトレードは一番上のタイプで、トレンド認識が正しく、エントリー・エグジットとも良いタイミングで出来た場合です。
解説
トレンド認識(≒環境認識)
本場海外でもTrend is Friendと呼ばれて重要視されます。トレンド認識が正しければ圧倒的に勝ちやすく、少々のエントリーミスはトレンドが加勢してミスを吸収してくれます。
ただしトレンドが合っていても、後述の2つのタイミングが悪ければ、アップトレンドにロングで入って負ける悲劇も稀ではありません。むしろ定期で起こります。
しかしその逆、トレンド認識が誤っていれば、タイミングが良くても大勝ちすることはまずありません。つまりトレンド加勢は期待できないのでミスは許されません。売買タイミングが最高でも逆風環境では防戦主体で運が良くても微益程度に収まるでしょう。もちろん全てのトレードでそうなる訳でありませんが長い目で見ればアゲインストで勝ち続けたり大勝ちするケースは稀です。
トレンド認識が✕の場合、全ての成果が下がります。
他トレーダーが追い風で疾走する中、自分だけローションまみれコースを走っているようなもので、絵的にはおもしろいですが、当人は悲惨です。
トレンドフォロースタイルでない場合は、「トレンド認識」=「売買の方向(目線)」と捉えてください。
エントリー
が良ければ、差益計算上有利であり、大勝ちも見込み易くなります。
ですが、数的優位より強調しておきたい効果は、精神的優位の獲得です。
トレード中は日常生活にはない精神力を必要とします。
最高のエントリーポイントは保有中の精神疲労(ポジションストレス)をほぼゼロにしてくれます。健全なメンタルは賢明な判断を助けるため、その後のトレードも好転しやすくなります。
ただし、
巷ではエントリー=トレードの醍醐味のように語られますが、個人的には表中の3要素でエントリーの重要度は最下位と断言します。
もちろんエントリーも大変重要な部分で、どこでエントリーしても良いということはありませんが、最終的に勝敗はエグジットの良し悪しで決まります。当たり前ですが。。
エグジット(イグジット)
はトレードの目的であり、勝敗そのものと言っても良かったかもしれませんが、今回は”タイミング要素”として勝敗とは別項目で評価しています。
エントリーとトレンド認識は、エグジットの為に行われています。
「エントリー=損益」はfalseですが、「エグジット=損益」はtrue(真)です。
終わり良ければ全て良しではありますが、良いエントリーが良いエグジットを産むので、エグジット君だけの働きでトレードが決まっている訳ではありません。
また前述のようにそもそも悪環境(ローションまみれ)の場合、エグジットは利益目的でなく、損失を最小限に抑える事が至上命題となります(トレーダーの命を守るSLとしてのエグジット)。
つまりTP・SLどちらの場合においても、エグジットはトレードの生命線になります。
解り辛いから麻雀で例えてくれ。
「手法=エントリー方法」のように思われがちなので、このイメージを払拭する為、別のジャンルに例えてみました。麻雀が解らない場合は申訳ありません。
麻雀はアガリを目指すゲームです。利食をアガリと考えれば良いでしょう。
トレンド認識:流れ(対子場・順子場等)・≒環境認識:河の把握・山の読み
エントリー:配牌・最終型の想定作業・またはリーチによる手役の固定
建玉制御:自摸・手牌回し
エグジット:待ち形+和了・大負けの可能性を排除する為の他家安値への意図的な放銃・親流しの為の1000点キック 等
・・・ですかね。。余計わかり辛いでしょうか。
トレンド・配牌・ツモあっての、和了です。
「配牌が良い」より、その後の「ツモが良い」方が良いですよね。(両方良いに越したことはありませんが)
エントリー(配牌)は勝敗に関わる要素の一つで、たしかに大切ではありますが、配牌も含めたゲーム全体(手配回し~和了まで)を把握していないと何が一番大切かブレてしまうので注意しましょう。ここで挙げた4要素であっても、エントリーの重要度は最下位です。
トレードには天和がないですからね。
上のように麻雀に例えると「建玉制御(ポジションコントロール)」が重要である事に気づくと思います。
建玉制御はいわゆる”相場さばき”と同義で、エグジットに準ずる行為の為、エントリーよりも重要度は上です(※私見です)
初心者向けに単純化するため、今回の一覧表では省略しましたが、
エントリーに着目した情報が多い中、決してそれがトレードの全てでも中心でも無いことに注意していただければ、学習・理解の助けになるのではないかと思います。
私自身もエグジットを強化しています。
こんにちわ。貴重な記事をありがとうございます。現在、私はMTFでの各時間足の方向感の一致を環境認識として検討しています。トレンドフォローで、M5,M15,H1,H4の20MA,80MAの方向、PO成立で執行足を決め、エントリを考えます。できあがったチャートだと良く分かるわけですが、チャートの右端で悩むことが多く、BCTで見送りばかりです。グランビルやエリオットなどで、今どこなのだろう、と執行足で考える訳ですが、どの足のどのMAが今グランビルのどのあたりなのか、が右端で把握できません。これに加え、エントリは上昇トレンドであれば押し目、下降トレンドであれば戻り目でエントリですが、教科書通りにMAに、戻ることが少なく、多少接近して伸びたりするので、はっきり言って、現状は無知と同じです。このためルール化ができず、過去検証が進まないことが悩みです。