トレードは仕事ですから勝ちに拘る必要があります。
ですが本当に勝ちたいなら、ひとつの勝ちに拘らない事にこそ、拘るべきと思います。
スタートレックに、Q連続体(キュー・れんぞくたい)という宇宙人が登場します。
個にして全、全にして個
”Q”の方は余談ですが、
この”連続体”という言葉は、トレードにしっくりきます。
数度の勝敗でトレーダーを評価できないように、単一のトレードそれぞれを個別に評価してもあまり深い意味はありません。
ひとつひとつのトレードは不確定要素を含む唯一性のもので、それぞれに数的な優劣も存在しますが、どれもが必要な(必要だった)トレードです。
以前に「トレーズ」と表現した事がありますが、トレードは複数形で考え、向き合うべきです。
初級トレーダーの朝三暮四
(ちょうさんぼし)【朝三暮四】
あるひ、おしょうさんに飼われていたモンキーは「夕方は4コあるのに朝は3コしか貰えないおまんじゅう」に堪忍袋の緒が切れ、和尚を言い上げました。
おしょうさんは「そこまで言うなら、あすからは朝4コ、夕方3コにしてやろう」と言いました。
モンキーはひどくよろこびました。的なお話。
以前、建玉20回のトレードの、順番が変わっただけで正しいトレードの全体像を見失ってしまうことを説明(トレード棒銀戦法)しましたが、これは複数通貨運用にも言えます。
例えば、同じ手法で、ドル円とポンドドルで同時に運用していて、それぞれのポジション合計が、
ドル円:建玉合計、含み損-10万円負
ポンドドル:建玉合計、含み益+12万円
だとします。
私が初心者の頃よくあったのですが、このとき、ポンドドルは手仕舞いできるのに、ドル円は手仕舞いしたくない感覚があります。
それぞれの通貨ペアごとに勝ちたい、と思ってしまうんです。
ですが、トレードは全体で勝つ事が大事なので、ここでは全決済して確実に利益を得る方が賢明です。
わいは猿か。いやプロトレーダーや。
”連続体”というと馴染みがないですが、会社や組織などの集合体に例えても良いかもしれません。
従業員の満足度(ES)やスキルが高い事はもちろん良い事ですが、組織の成長を望む時、個人の都合を優先できませんよね。社員全体(会社)のボトムアップを謀るなら、個人でなくシステムを構築すべきでしょう。
つまり、集合体の勝ちに拘っていれば、必然的に単一の勝ちに拘われなくなる。という事。
トレードも、トレーダーのスキルアップも、全体像を意識するのが良いです。
そうすれば饅頭の数も間違えませんしね。
全体像を把握するために何をすべきでしょうか。