大谷翔平選手は、その圧倒的なパフォーマンスだけでなく、独自のルーティンにも注目が集まっています。
参考:「世界中がマネする」大谷翔平が新ルーティーンの意図明かし
今年6月から新たに取り入れたルーティーンを始めてからの打率は4.58(2024/6.14~6.19)
バットの長さを利用して自分の立ち位置を調整するルーティーンなのですが、大谷さんはこの意味について次の様に語っています。
同じように構えて、同じ位置で立つっていうのが一番大事なことではあるので。球場によって(バッターボックスの)ラインの太さが違ったりする。そこで多少ずれたりとかっていうことがないようにしたい
同じ位置で同じように構えるのが、まず同じようにボールを見ることに対しては、一番大事なこと。動く前の段階がやっぱり一番大事
こうしたルーティンも言葉も、FXトレーダーに参考となる示唆に富んでいます。
ちなみに”一番大事”が3回出た事は御愛嬌です。言葉のアヤです。揚げ足取りはいけません。大谷選手が言うんです。全部一番です。
ルーティンとは何か?FXトレードにおける役割
ルーティンとは、習慣的・定型的な手続きや仕事、日課の事で、一定の順番で決まった動作を行うことも指します。スポーツ選手だけでなく、音楽家や職人など、様々な分野でルーティンは活用されています。一昔前はよくルーチンと言ってた気がします。
FXトレードにおいても、ルーティンは重要な役割を果たします。チャート分析やエントリー、決済などの行動をルーティン化することで、以下の効果が期待できます。
- 感情に振り回されない
- ミスを減らす
- パフォーマンス向上
- 自信をつける
大谷選手のルーティン:FXトレードへの応用
一般的な手法では、エントリーポイントを事前に明確に定め、そのポイントになったら機械的にエントリーすることが重要です。しかし、感情に左右されたり、チャート分析に迷ったりして、当初の計画通りにエントリーできないことがあります。
大谷選手のルーティンは、バットを使って立ち位置を確認することで、常に同じ姿勢で打席に立つことができます。これは、FXトレーダーがチャート分析に集中し、感情に左右されずにエントリーポイントを見極めることに繋がります。
FXトレーダーのためのルーティン例
模範的なルーティン
- エントリー前に必ずチャート分析を行う
- エントリーポイントを明確に定める
- 損失カットラインと利食い目標を事前に設定する
- エントリー後はチャートを見ずに放置する
- 毎日のトレードを記録し、振り返りを行う
PDCAの要素も含んだこれらのルーティンを習慣化することで、感情に振り回されず、規律正しいトレードができるとされます。
個人的なおすすめルーティーン
- コーヒーを入れる
- デスクを片付ける
- テレビ(メディア)を消す
- 監視通貨ペアに一通り目を通す
- 全ての上位足を確認する
- 前回のトレードを見る
- 素チャートと必ず見比べる
- 今週・今回使える投資額を確認する
以前は自分のトレードルールを確認するおなじみのルーティーンもありましたが、基本部分を暗記してからは必要時のみの確認で済ませています。
私の場合、厳密ガチガチでやっている訳ではありません。順番が前後する事も多いため正式にはルーティーンと呼べないのかもしれませんが、行動の目的や意味するところはルーティーンのそれと同じです。
それぞれの意味と効能
1~3・コーヒー~テレビ
物理的な雑念要素を排除して集中力を高めると同時に、頭の中で自分のテンションに注目するところまでがルーティーンワークです。行動によるルーティーンに紐づけて思考ルーティーンを習慣付けます。心身状態・バイオリズムは毎日毎時間違うと言っても過言ではありません。イライラしていないか、勝ち気が出すぎていないか、弱気になっていないか、トレードしたくなっていないか、体が疲れていないか、今が「いつもの自分か」を可能な限り評価しておきます。奥様とケンカした後、正しいトレードを行うのは困難ですよ笑。もちろんコーヒーを飲めといっているのでもありません。あくまでルーティーン作りの参考にしてください。
4・監視通貨ペアに一通り目を通す
は、当たり前の作業ですが、慣れてくると意外と忘れやすいです。最も良い状態のチャートの見逃しを防ぐ為。あるいは少しでも状態の良いトレードに納得のできるチャート見つける為に行います。特定通貨ペア専用の手法の場合はもちろん不要です。
5・全ての上位足を確認する
月足は月に1度見れば1ヶ月間変わる事はありません。ですが、できるだけ折に触れて確認した方が良いです。経験者は解ると思いますが、同じチャートでも自己環境が変わる事で違って見える事が多々あります。物理的には当月生成中の月足(完成前の月足)の動きも錯覚として影響します。また、短い時間足でショートで勝ち続けている時に、大きな時間軸は上昇トレンド中という事は多々あります。この様な時、ついつい今勝っているショート目線で、大きな流れもベアだと勘違いしてしまう事があります。そういった自分本位の誤認を減らす為に、月足であろうとできる限り何回もチェックします。ただし1日何回も見る必要までありませんのでチャートが頭に入っているなら大丈夫です。また月足の確認が無意味な手法も存在します。その場合は当然不要です。
6・前回のトレードを見る
これは損益の確認とは異なります。前回のトレード状態をビジュアルで見る事で状況が一発で解ります。前回だけでなく直近の成績も見れれば尚良いです。こうして事で自分の手法(自分の感覚)が今の相場にマッチしているか、前回に判断ミスがなかったか等を同時に確認します。毎回見る事でミスの癖や今の流れ(相場と自分の相性バイオリズム)も解ってきます。わざわざインジケーターを自作するほど重要なチェック項目です。(ProTradeView、TradeView)
7・素チャートと比べる
インジケーター類はとても便利ですが、同時に錯覚も助長してしまいます。移動平均線、ボリンジャーバンド、トレンドラインなどなど、トレーダーはチャートと同時に錯覚も見ています。慣れや訓練で軽減はされますが錯覚は自分で気付けないから錯覚なので、確かめるには見比べるしかありません。私はこの為に自作インジに一発素チャートボタンを実装しています。(右上スイッチ)
6・7はどちらも無料ツールでも公開しています
8・今回使える投資額を確認する
投資額はエントリー前に大雑把に確認しておきます。私の場合、面倒な計算ではありませんが残高に応じて投資額を最適に調整する変動型なので週と日でチェックする必要があります。常に定額投資の場合は不要です。
おまけ
私はPCの起動時と、毎日午後3時にMT4が自動で起動するように設定しています。これは失念防止効果の他、自分がトレーダーであるという意識を強く持つ事に寄与しています。
兼業時代、メインのサラリーに甘えてともするとトレーダーとしてのサイクルを忘れがちです。今では原則24時間PCもMT4も起動いているので大きな意味合いは無くなりましたが、それでも時間を忘れてPC作業に入っている時、不意にMT4にフォーカスが移ると「お、もうこんな時間か、チェックチェック。」となる事があります。
※MT4起動済の場合は同時刻にフォーカスが移る
今の時代、このように自動化可能なルーティーンもあると思いますので参考になればと思います。
参考:【Windows 10/11】タスクスケジューラで定期的な作業を自動化する
恐怖の逆ルーチン
ルーティンの大切さを説明してきましたが、恐ろしさもあります。それは悪しき習慣です。大谷選手の例にあるようにルーティーンの効果は時に絶大ですが、ルーティーンとは上で説明した様に「習慣的・定型的な手続きや仕事、日課」ですから、その日課が悪しき習慣であれば、真逆に作用すると心得ておきましょう。
- 毎日チャートを見ない(気が向いた時しかチャートを見ない)習慣
- ルールを確認しない習慣
- トレード成績を見直さない習慣
- 素チャートを見ない習慣
もし私にこのような行為が体に染み付いてしまったら、その修正時間がもったいないです。当然成績にも影響します。
やる事もやらない事も大事です。やらない事をやる事(不作為の実行)も大事です。
毎日の積み重ねが、その人、そのトレーダーを作っていきますよね。
良いルーティーン、作っていますか?
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。