「調整力」の必要性

トレードは再現性を高める為、毎回同じルールで同じ判断をしなければいけません。しかしその同じ判断をする為には、毎回同じやり方ではいけません。調整が必要です。

毎日同じ成果を残すには、その時の状況に合わせて毎日少しずつ調整を加えなければいけない。この調整力が大事です。

もっともわかりやすいのはロットを変えたとき。0.1lotと1.0lotの時のトレードは変わります。1.0lotと10.0lotの時もトレードは変わります。同じトレーダーが同じ手法で行ったとしても、一敗した後のメンタルは違います。一勝した後のメンタルも違います。メンタルが違えば判断が変わります。判断が変わればトレードが変わります。勝っても負けても変わるんです。

この時相場は何も変わっていません。変わったのは自分自身です。正しくトレードしていた頃のアナタはそこにいません。（アナタ、変わってしまたのね）

以前、ゴルフが得意な古い同僚にトレードの話と交換がてら、ゴルフの秘訣を聞いてみました。私はゴルフはしないですし運動オンチですが、学べる事がありました。

要点はこうです。

始めのティーショット、あるいは打つ前の素振りのスイングなどでその日の自分のコンディションや通常との差異を見極め、いつものスイングをできるように動きを調整する。

※スウィングトレードとは無関係です

つまり良いショットを打つには良いフォームが必要で、良いフォームを再現するには、自分のコンディションに応じて調整する必要がある。人間の体調は毎日自分でも気付かない些細な違いがあります。例えば右肩がちょっと凝っている、足が少し痩せた、新しいグローブに慣れていない、言えだせばキリが無いほど昨日の自分とは違います。通常はほとんど気づきません。昨日と同じ自分だと思っています。目に見えない”メンタル”は更に確認困難です。

うどん屋さんは、毎日同じコシを再現する為に、毎日材料の分量を変えていると言います。それと良く似ています。

車の塗装も、毎日同じ色を出す為には、毎日塗料の分量を変えなくてはいけません。これらは空気中の湿度の変化が成果物に影響を与えているからです。

同じ質を保つには、全く同じ事をするだけでは不十分なんです。

トレーダーにも同じ事が言えます。

同じ手法を同じに実行して再現性を高めるにはチャート分析以外に自己分析が不可欠です。自己分析行っていますか?チャートは分析するが自己は分析していない、では再現性が低下します。

これを最も実感できるはトレードの可視化です。「あれ?なぜこんなところでエントリーを？ちょっと早くない?」「ここはもう利食すべきだったよね」自分のトレードでさえ後で見返すと、なんでこの時この判断をしたのか腑に落ちないときがあります。

これはチャートの誤認というより、自分の誤認です。連勝している時、連敗している時、相場が荒れている時、久しくエントリーチャンスに恵まれない時、などなど、どうしても人間なので気分が違います。連勝中や連敗中は、「さすがにもうそろそろ勝つだろう」「今のうちにまだまだ勝てるだろう」などと判断が偏ってかなり危険です。まずこれに気付く事自体が難しいのですが、気づけなえれば土俵にさえ上がれません。そこで前回お伝えしたようなルーティーンが役立ちます。TradeViewではエントリー・エグジットのビジュアル化だけでなくlot数も表示できる為よりわかりやすく把握できます。敗戦だけ、勝ち戦だけに注目して分析すると今の自分のパターンが見てきます。

どこで負ける事が多いか、どういう状況の時ミスが増えるか、これらを探す助けになります。これらが分からなければ調整のしようが無いのですからマジで大事な作業です。

余談：

その同僚は30歳位から始めた付き合いのゴルフで、いろいろなコンペで優勝しており、2年間ブランクがあっても呼ばれて大会に出場すれば優勝してしまう実力。若い頃から営業成績はトップ、現在は重役クラス。もう一つ言えば女性に良くモテる。こんな羨ましい彼に数年前呼び出されて、彼の部下数名と合わせてトレードの秘訣などを伝えた事があります。部下がトレーダーになりたいと言い出したらしいのです。

秘訣といってもこのブログと同じ内容です。私の現状はお伝えしましたが、もちろん私が投資を強要することはありません。これからの時代、老若男女、投資は必須だと考えていますが、リスクのあるものを強要できませんし、教えたからと言って必ず勝てる保証はありません。それはゴルフも同じです。ですから私はゴルフはきっぱり断りましたw

が、保証のあるものは堅実ではあるがリターンも少ない。サラリーと同じです、、（と言いたいところですが、今は会社員でもあまり保証があるとは言えませんね）

トレーダーには、勝てる保証は無いがリターンが青天井。この魅力があるからトレードするんですよね。

我々はまさにリスクテイカーです。

 

彼の部下はいまどうしてるんだろうか。。自己分析、できてるかなぁ。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。