アンガーマネジメントにみる怒りのトレードマインド対処法

相場とかけまして天候ととく、その心は、どちらも森羅万象の一部でしょう

モアッチです。

たまに、雨が降って機嫌が悪くなる人がいますが、あれって誰に怒ってるんですかね?空?神様?大自然?

相場で負けたとき、落ち込む気持ちはもちろん解ります。でもそれって本当に自分が悪いんですかね?もちろん逆ギレして相場に当たるよりマシなんですが、自分を責めても意味のない場合があります。今回はそのような相場対自分の心の持ちようをアンガーマネージメントを例に考えてみます。

怒りのメカニズム

アンガーマネージメントによると、怒りの感情は『こうあるべき』という自分の価値観が裏切られたときに湧くものだと言います。

『こうあるべき』には以下のようなケースがあります。

  1. 価値観/理想とのギャップ
    自分が大切にしている価値観や理想と、現実とのギャップがある場合
  2. 不安・ストレス
    対人関係・仕事・プライベート・などにおける不安やストレス
  3. 感情の伝染・伝搬
    周囲の人に怒りや不安がある場合、その感情が伝染する

1,人は自分がこれまで大事にしてきた価値観や理想を裏切られたときに、怒ります。

「挨拶はこうあるべき」「他人には優しくすべき」「これだけ働いたらこれだけ貰えるべき」いろいろあると思います。一見正しく思える意見でも、実は一般的とか正論とかではなく、単に個人主観と他人との比較になってしまっている事も多いと思いませんか。常識という言葉にも引っ張られ過ぎないようにしましょう。常識は客観的のようでむしろ主観的な事も多いです。実家の常識、会社の常識、日本の常識、これらは主観ですよね。
相場で「こうあるべき」の考えは常に危険です。「ここまで来たら反転するだろう」「このサインが出たらこうなるだろう」が主観に寄ると裏切られたと感じて腹が立ちます。
相場は天候のようなもので、煩わしく思う時もあればポカポカ陽気の時もあります。ましてFXはショートもロングも可能です。雨でも晴れでも怒りの理由にはなりません。まして「裏切り」は主観でしかありません。ダマシはありますが、相場からしてみれば騙す気は一切ないのですから言いがかりです。輩です。我々は輩です。

2,初心者の方はピンとこないかもしれませんが、対人関係や冠婚葬祭が自分のトレードに影響する事は事実です。

トレードとは相場に対する自分の行いですから、チャートを読み解く以上に自分の状況理解が重要です。自分の今日の体力披露、精神力、資金力、判断力はいつもと同じでしょうか。もしこうした自分チャートがあれば、今の自分は何トレンドでしょうか?心身や環境に不安を抱えている時、ストレスや苛立ちから普段と違うトレードをしていませんか?喜怒哀楽は自然発生でなく対人環境や自己環境から生まれてきます。

3,他人の事故や病気がトレードに影響しないと思ったら大間違い。

自分と関わりのない人さえ影響します。テレビでも映画でも。ネガティブなものはポジティブなものより伝染します。もし周りにそのような人がいるときは努めて元気でいましょう。自分からポジティブを伝染させてネガティブに伝染されないように。そして自分が他人に流されない様に注意すると同時に、多くの人が他人に流されている事実を認識しておきましょう。それが相場のトレンドでもあります。あなたはそれをメタ認知し、意識の上でのコントラリアン(逆張り派)を保つのです。*逆張りトレードを推奨している理由ではありません

 

対処法

アンガーマネジメントによると怒りをコントロールするには以下の3つが重要といいます

  1. 衝動
  2. 思考
  3. 行動

1、怒りの衝動を自覚する
2、怒りの必要性を考える
3、自分がとる行動によって変えられる(出来る事)/変えられない(出来ない事)。と重要な事か重要でない事かを考えて行動を決断する。

怒りだけでなく、トレードに悪影響を及ぼしそうな感情コントロールにもアンガーマネジメントの次の方法が参考になります。

  1. 深呼吸
  2. 「6秒ルール」
    ※怒りそうになったら6秒我慢する
  3. 自分の気持ちを言葉にする
  4. 紙に書き出す
  5. 別のことに意識を向ける
  6. タイムアウトを取る

例えば、衝動(1)に対して自覚したなら、深呼吸(a)して落ち着かせ、思考(2)によって先述した「こうあるべき」のような主観で判断していないかその感情の必要性を吟味します。そしてそれに対して自分が今とる行動(3)は何が良いかを考えます。

ポジポジ病や、自分が熱くなっていると感じたらこれらの事を意識してみてください。何もしないより、きっと効果があります。

また、企業のクレーム対応の3原則には次のようなものもありますね。

  • 場所を変える
  • 人を変える
  • 時間を変える

このような方法は人の心をフラットに持って行き易く、感情を落ち着かせて平常心を回復させる効果があります。

本当にあなたのトレードは間違っているか

相場のせいにする事が無意味なのは解りやすいと思いますが、次は自分のせいと考える事や自分への苛立ちも、正しいか考えます。

ルールに従って損失になった時、あなたは何も悪くありません。むしろ正しいです。ヒーロー(ヒロイン)です。改善の必要があるとすればルールです。そしてルールを改善することは良いことです。だから良いことばっかりです笑。但しルールを改変するなら慎重に行ってください。一度に多くを変えてはいけません。一つずつ改変します。

ルールを破って損失になった時、大いに反省する必要がありますが、破りやすいルールなのかもしれません。ルールを守りやすくする為のルールを作りましょう。全てはシステムです。根性でどうこうなるものとのならないものがある事を認め、謙虚にルールを作りましょう。

ルールを破って利益になった時、大いに注意する必要があります。好ましくない行いでお金を手にした時、悪癖が残ります。利益になった理由が何であったのか良く考えましょう。仮にルール通りに実行していれば結果負けていたという場合もルール破りは大罪です。どうしてもルールを破りたくなったのなら、ルールを書き換えてから、そのルールを実行する様にしましょう。こうする事でルールを守る自分を維持できます。

ルールに従って利益になった時、自分の規律性を認め自信をつけてください。その上で、今回は相場との相性が良かったと謙虚でいましょう。所詮100%天候を見切る事はできません。勝って兜の緒を締める。そういうヤツが、生き残る世界なんです。明日同じチャートが来ても利益になるとは、限りませんからね。

 

まとめ

トレードに負けて悔しかったり悲しかったりするマインドはもちろん、解ります。

しかし自分の予測相場の結果別物であると認める事で、相場に敵対しないだけでなく、自分の負けを悲観することもなくなります。つまり相場の動きを尊重し、自分の自信も維持できるという寸法です。

あなたの感情を変化させるきっかけになった外の事に目を向けても何も改善できませんから、外でなく自分をコントロールする事が、ひいてはトレードを安定させる事につながります。これを続ける事でレジリエンスも強化されます。

レジリエンスとは、根性論や我慢力でなく、耐久力や回復力であるはずです。根性だけでフルマラソンは走れません。無理して走ったら体を壊します。足腰がイカレます。日々練習を行う事で、完走に耐える体力と完走後の回復力が身につきます。ローマは1日にしてならず。チャート読解力も必要ですが、こうした精神力も日頃から意識的に練習しておきましょう。トレード生活はマラソンより、長いんですからね。

 

全く関係ないですが、アンガー(怒り)とアンカー(錨)って、日本語でも英語でも似てますね。(だからどうした)

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

 

参考:

アンガーマネジメント

レジリエンス

 

 

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