古典技・ゴールデンクロス
ProMA4では、従来の「MA対価格」のタッチアラートの他、「MA対MA」のクロスアラートを選択することで、ゴールデンクロス・デッドクロスの観測がしやすくなります。
ProMA4はひとつのインジで4本の多重MAを同時描写できますが、その中から任意のMAペアを指定してMA同士のクロスを監視できます。この為目的に絞った環境把握が可能です。
※執筆時点ProMA4は未公開です。
仕様と注意点
ゴールデン/デッドクロスの定義
は、各トレーダーによって異なる場合があります。
ProMAは、さまざまなシーンに使えるよう一番シンプルな”クロス状態のみ”を条件にアラート判定します。
例:日足の場合
- 二日前の短期MA値 > 二日前の長期MA値 かつ 一日前の短期MA値 < 一日前の長期MA値
で判定。
次にMAペアの期間を自動判別して状況把握し
- 短期線が長期線を上抜けた場合ゴールデンクロス
- 短期線が長期線を下抜けた場合デッドクロス
と通知します。
MAの傾斜・角度は考慮せず、判定タイミングは終値確定時のみです。
クロスアラート使用時は、価格タッチアラート用の判定項目(パラメーターの「時間軸」以外の項目)は自動的に無効になり使用しません。
このためクロスアラート用の特別な定義の作成は不要で、パラメーターの「アラートタイプ」を「タッチ(*通常)」から「クロス」に変更するだけで従来と同じように使えます。
アラートスイッチ
クロスアラートを適用するとメインMA以外のスイッチは非表示になります。クロス基準のMAが明確になるだけでなく、後述の自動売買適用時の誤操作によるミスも防ぎます。
クロスアラート用に他スイッチは制御される
活用例
MAは歴史が古く愛用者の多いインジケーター(指標)です。先人によって広く研究されているので利用場面は少なくありません。淘汰されない古典指標にはそれなりの理由があります。
またタッチアラート同様にクロスアラートは、ProEN、ProEX、AT、で自動売買に利用することもできます。クロスで自動決済・約定・SL移動などが可能になるためトレードの幅が広がります。
デッドクロス・ゴールデンクロスを使った売買戦術は耳タコに有名です。ただしクロスのたびに売り買いを続ければ泣く子も爆笑するほど負けます。
コツは、適時、必要な時だけ使う事です。
クロストレールの一例
下図○部分は、直近の高値(あるいは水平線など)を超えMA同士が乖離して伸びを予感させる場面です。
この時点で、充分なフェイバーポジションを保有しており、かつわがままに利伸ばッシングしたい場合に、
決済戦法としてデッドクロス・エグジットを採用するケースが考えられます(ロングの場合デッドクロスエグジット)。こうする事で普段のルールを破らずに、しかしいつものルールでは対応できない相場に対処できる場合があります。手法のマイナーバージョンアップと考えても良いでしょう。
これ以外にもさまざまな場面が考えられますがこのように適宜、必要なポイントで利用すると良いでしょう。
ProMAはMA同様に、使い手・使い方によって効果が異なります。上図はMAが交差しない限り利益を伸ばします。これは(各トレーダーが定義する)トレンドが続く限りエンドレスにポジションホールドする事になります。予想を超えて伸び続ける価格やMAを見た事があるでしょうか。どこまで伸びるかは誰も解りません。
この方法では、利食は青天井になり、また建値がMA(緑)以上になった時点で損失はありません。その代り含み益の頂点からみれば、必ずある程度相場に利益を返すのを待ってから決済することを呑む必要があります。
クロスの発生頻度はMA期間で調整することもできます。またMA期間は変えなくとも、タイムフレームを切り替えて短期↔長期保有へ移行できる手軽さもあります。
上図右側矢印では、先程の図より数時間早く決済(クロス)し、利益も増えていますが、いつもこうなるわけではありません。期間を短くするほど大きな波を逃す可能性もあるので本来の目的を損ないます。
自分が「手堅いアガリが欲しいとき/するべき」なのか「リミッター解除して伸び伸びさせたい/させてよいとき」なのか、状況に応じてチョイスするのも良いでしょう。ちなみに私はそうしています。
※MA期間1はラインチャートと同じになります。このようにMAを価格に見立てて使用もできます。
MAはトレンド指標
なので図左側のようにMAの方向が定まらない場合やスパゲッティ状態でこの戦法は不向きです(そもそもトレードに不向き)。
自分が使うべきルールを決めておけば、いざというとき迷わなくて良いでしょう。
MAクロスの自動売買でフル稼働するケースはあまりないと思いますが、少なくとも戦術・戦法の引き出しが増える利点はアドバンテージと言えるでしょう。最も辛いのはチャンス(有事)の際に選択自由が無いハンディキャップです。
もちろん自動売買でなく「アラート → 手動注文」でも利確の論拠は変わらないので戦法として有効です。
ゴールデンクロス・デッドクロスは48の殺人テクニカルのひとつと言って良いですが、シンプルなだけに使い手・使い場所を選びます。
自分流の技ができればトレードの幅も広がるでしょう。