前編からの続きです。
損失と利益は、同じモノ(金)だ
リスクが安定すれば利益も安定するのは道理です。リスクと利益は独立した反対性のものでなく、ひとつのバロメーター上の状態の違いと考えた方が解りやすいでしょう。
『損失』 vs 『利益』
でなく、
損失━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━利益
こんな感じ。
この直線上のどこか。の話。なので、損失が減ると利益は必然的に増える。リスクを安定化すると利益も安定化する。
(初心者は想定利益を基準にしてトレードしがちだがリスクを基準にした方が良い。上の図を見ればどちらでも同じに思うかもしれないが資金に限りがある以上リスクを基準にすべきなのであーる。)
資金管理サポート機能
そこで、エントリーを自動化するProENに、エントリー時のリスク管理機能を付属しました。これが今回のマネーマネージメント”自動化計画”。
1ロット購入でなく、10000円購入、という注文方法が可能になります。
概要
これによりリスクを均一化コントロールしやすくなります。ギャンブルのように毎回乱数的に乱高下する損失を是正したいと思っている人は管理しやすくなるでしょう。
例えば、ProENを使ってMAやトレンドラインで自動エントリーする時、約定値がいくらでエントリーするかは解りません(言い方を換えると、予測不能な数値を対象に予約できる)。このような場合は約定値からのpips差でSLを指定すれば一定リスクを保てますが、本機能ではさらに、pipsでなく金額でもリスク指定できるようになります。
また、トレード毎に自分が今何をやっているのか(どんなリスクを負っているのか)判るように明示的に表示するようにしました。
どんぶり勘定でロットだけでやっている人はウィンドウを見てハッと身につまされる思いがあるかもしれません。え、こんなリスク。的な。。
損失をコントロール(自己制御)せよ
MT4に限らずエントリーの基準は『ロット注文』です。株なら単元、つまり”個数”を指定して購入します。
この場合、次の式のように決済差分(Pips)が実行又は指定される事でトレードリスク(R)が決定します。
損失計算式
A) リスク額(R) = ロット(L) ✕ Pips(SL値)(P)
R = L ✕ P (※L・PによりRが決定する)
ニュアンスが伝わり辛いかもしれませんが、「R」が”結果的”に求められているとも言えます。
ところが前編で説明したように、勝ちやすくする為にリスクの一定化を謀りたい場合、リスク額ありきで考えた方が良いです。
つまり「R」を、”結果”でなく”計画”にしたいので、『リスク額で注文』します。
この場合、等式は次のように変形されます(”リスク額”を右辺に移動する。求める左辺が変わる)
B) ロット = リスク額 ✕ Pips(SL値)
L = R ✕ P
又は
C) Pips(SL値)=リスク額 ✕ ロット
P = R ✕ L
※(A~Cの説明)赤・青の入力によって黒が求められる。
B・Cはリスク額を入力できるが、Aはリスク額を入力できない。
こうする事で計画通りのリスクで売買できます。ま、当り前ですが。。
高額資金は定額投資、低額資金は定率投資、が向くと考える理由
経験者は、さらに
投資資金の増減に合わせてリスク額を最適化したいと考えるでしょう。
この時便利なのが定率投資です。
ウォール街の敏腕トレーダーは『1%以上のリスクを負うのはエテ公である』と言われます。ですが、パンピーのトーシロが過敏になる必要はありません。もちろん安全管理は最重要課題ですし、一度にウン千万を運用しているなら別ですが、資金10万円の新米トレーダーが、次の給料で補填可能な1万円(つまり10%)を投資しても問題ないと考えます。もちろん手法にもよります。というか、そうしないととてもではありませんが増えないし勉強にもならないでしょう。デモ以外の実践トレードなら、経験を得る事に意味があります。”1%”が重要なのではなく、身の丈と手法に合ったリスクである事が重要です。
但し定率投資は1勝1敗で必ずマイナスになるので注意してください。オプティマルエフやマーチンゲールなど資金管理や最適化の世界は深みにハマると大変なので、個人的には、定率・定額投資の概念程度の把握で充分だと思います。また資金管理は、ある程度の段階からはメンタルの問題に昇華されるので一概に計算だけで勝てる問題と捉えないでください。定率投資時のコツは勝った時の余剰資金だけでやる事です。そうすれば勝ち金以上に負けないので、良い面だけを甘受できます。
参考記事:投資家を台無しにする資金管理(キン太の章参照)
そこで
定額、定率、どちらでも管理できるように項目を追加しました。
先程の計算式で説明すると次のとおりです。
B) ロット = リスク額(定額計算) ✕ Pips(SL値)
B)’ ロット = リスク額(定率計算) ✕ Pips(SL値)
又は
C) Pips(SL値)=リスク額(定額計算) ✕ ロット
C)’ Pips(SL値)=リスク額(定率計算) ✕ ロット
もちろん定率や定額を使わずにロットでエントリーしても構いません。選択の自由がある、というだけです。
手計算にない利点ってあるの?
ぶっちゃけ、手計算でもできるのでこの機能が必須なのかと言えば、ノーです。
ただ、単純な数式ですが頭で考えると上のような計算の選択になり、さらにドル、円、ユーロ建て口座、1ロット当たりの通貨枚数、通貨ペア別特性などなど、いろいろな動きを考えながら計算すると面倒になる事がままあります。慣れれば大した問題ではないのですが、資金や対応通貨ペアが増えた時なども、計算式は同じなのですが若干ビビっちゃいます。
なので、ツールに数値を入力して計算作業を省略した分だけ頭の中をトレードに集中できるならトレーダーに良い事ですし、特に初心者は「理屈では解っているが実行できない」ケースが多いので、計算のように誰がやっても結果が同じものは初めからラクしてもバチはあたらないでしょう(手計算すると、やってる感はある。が、計算ミスも、ある;)
定率と定額のハイブリッド運用や、移行段階、比較検証したりするのも手計算だと面倒なので、そういう人も重宝するでしょう。
状況に応じて増玉やピラミッディング・複数通貨同時運用する場合も、毎回のリスク額をコントロールできれば全体も把握しやすくなる筈です。
何に対する定率か
またProEN、定率投資の計算に用いる”総資金の定義”を選択できます。このような使い分けまで考慮するなら手計算はする気になりません。
※クレジットは、クレジット総額を計算に用いるという事であり、クレジット分から消化するという事ではありません
※”クレジット”や”残高”の定義はブローカーによって異なる場合があります。本機能はXMを基準に作成しています。
ダウンロード
利用可能環境:XMリアル口座 + 全ブローカーデモ口座
使い方・設定方法はダウンロード後に表示されるページをご確認ください。ダウンロードは無料です(口座認証設定後に使えます)。
※ProENは、トレンドラインや、MA・BBのタッチで自動エントリー装置を作るエキスパート・アドバイザーです。エントリー時にSL/TP同時設定も可能です。
些細な機能ですが、1%、成長、してればいいっしょ。
追伸:
最近、スーパーのレジも無人が増えていて精算機使う時オドオドしちゃいます。無人化すれば人件費も工数も節約できてかつ正確、トレードもどんどん自動化されていくんでしょうね。せちがらい気もしますが。人間の仕事が奪われているというより、空いた時間の使い方を考える方が健全思考ですね。目指せ全自動。
いつもありがとうござます。
ENは、どんどん進化していきますね。
リスク制御機能は、EXにも欲しい機能です。