損切りは能動的に。利食は受動的に。
毎日、理想の売買が出来ていますか。
株の格言に「買いは技術、売りは芸術」とありますが、どちらも、理想を体現するには経験が必要です。今回は、スキルでもアートでもキャリアでもなく、マインド、ハート(心)面で理想の損切りについての説明です。
損切り(SL:ストップ・ロス)の数的な重要性はよく語られますが、損切りマインドの重要性を問う記述はあまりありません。でも、より実践的にトレードを理解しようと思う程、経験者のこういう感覚的な語りがいつか役に立つんじゃないでしょうか。
主に次のような場合に参考になると思います。
- 損切りが出来ない
- 損切りを場当たり的にを変更してしまう
- 損切りが苦手
- 損切りに恐怖やストレスを感じる
- 損切りを設定するのをいつも忘れてしまう
全トレードで利食したい気持ちは解りますが、損切りは基礎代謝のようなもので一定頻度で発生する方が自然です。はじめのうちは利食(TP:テイク・プロフィット)より損切りを目標にする方が、相場に長く在籍できるでしょう。
トレードの成功とは
初心者は「TP=トレード成功」「SL=トレード失敗」と捉えがちですが間違いです。計画通りに行われるSLは成功の一部として、自分を褒めてください。
TPよりもSL
特にはじめのうちは、トレードを「利益を取るゲーム」でなく「資金を守るゲーム」と考えた方がうまくいきます。つまりTPよりSLを重視します。
損切りが執行されたとき、相場に「刈られた」「損切りさせられた」と感じるのでなく、自分で「危険な地合いを抜け出した」「回避した」と思える事も重要です。
自分以外に振り回されない事。
なぜなら自分にさえ振り回されるのだから。
外部に振り回された結果でなく自らの意思と言える事が大事です。なので、SLになっても「くそ!やられた!」じゃなく「わざとだ!」と言ってやりましょうw。
「気持ち(解釈)の違いだけで、損失額は変わらないのだから、別にいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、これは結構、重要です。
なぜかというと
- ”相場(の急変動)にSLさせられた”
- ”他人のシグナル配信/自動売買に従っている”
- ”言われたからやる”
- ”不本意に行う”
などの受動的SLは主体性が無いに等しいので、そのトレード結果は五十歩百歩でも、長期的な成長は月とスッポンだからです。
TPは受動的に
TPはその逆で、「自力で利食った」と褒めるよりも、相場に恵まれたと思いましょう。慢心は油断を生みます。
トレード本来の目的は利益なので、あえてTPに消極的になる必要はないですが、それでもやはり結果的に利益を得る事ができたと受動的に捉える方が良いです。
損失は自分で取りに行き、利益は相場にまかせるカンジです。
トレーダーは姿勢が大事
なぜこのような姿勢が良いかというと、あたかも相場を自分で操作していると思い込んでしまわない為です。お門違いの被害者意識を芽生えさせず、勝者気取りの勘違いヤローにもならずに済みます。
初心者は特に、利益は自分の手柄、損失は相場のせいにしがちです。サーファーの腕が良くても波は海次第。自己責任と相場の恩恵の関係を把握しておきましょう。
一貫した勝者になるには根本的な姿勢が必要です。プロはみな同じです。
それが出来てから次にやること
能動的SLが出来ているなら損切りの質に目を向けると良いでしょう。
能動ワークであれば損切りの責任や評価が生まれるからです。もし受動的SL・被害者的SLを発生させている場合、敗因を外部や相場に求めがちです。
自己責任が低いまま相場原理を勉強すると相場攻略的な偏向が濃くなります。一方、能動的SLが出来ていれば主体性がある為自分攻略的なアプローチ姿勢が強くなります。トレーダーのスキルアップに直結するのは後者です。
SLは能動的に、TPは受動的に行う理由がお解りいただけたでしょうか。