地震は円高材料になるのか
被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
この記事は災害に関する説明や感想でなく、災害が市場へ及ぼす影響をトレーダーの立場から説明するものです。あらかじめご理解いただけると幸いです。
リパトリエーション
7月28日の熊本地震は、国土交通省により、幹線、在来線、道路、港などに被害が確認されています。
復旧費用や保険金支払いのため、日本企業が海外資産を売って円に戻す。いわゆるリパトリエーションが起きれば円高材料になり得ます。
しかしIMFは「2011年の東日本大震災後、大規模な資金還流(リパトリエーション)への思惑で円高が進んだものの、想定された還流は実際には起きなかったとしています。
ですが、実際、円高になりました。
つまり、実際のお金より先に、リパトリ期待だけで円が買われることがある。
投機・投資的な判断によるもと断言できないものの、少なくとも実需による円高ではなかった事になります。
「災害=円高」ではありません。しかし、円買いのきっかけになり得る、という事です。
為替介入警戒は解除できないが・・・

7/30未明、再度プライショックアラートを受信しました。FOMCの動きの瞬間を捉えたもので、為替介入ではありません。ちなみに発表の3:00ジャストに受信した為、値動きの第一報を最速で捉える目的は実現できているかと思います。
今回が為替介入でない事は想定内ですが、私としてはすこし為替介入感が薄れた気がしました。
一言で言えば、「緊急性が薄れた」からです
理由は3点
- 先程の思惑リパトリエーションによる円高基調
- FOMC後円高に振れた事
- 来週、雇用統計を控えている事
もちろんただの予想です。皆様の考えと比較しながら考察してください。
私の考えを順を追って説明すると、
1のリパトリは先述のとおり。これを起点に円高が進むなら財務省が実弾を用意せずとも良い。しばらく様子見しても良い状況が生まれます。必要性も緊急性も薄れた状態です。
2のFOMCも似た理由ですが、今回もし仮にFOMCで大きくドル高に振れていれば(プライスショックアラートがブル方向に検知するくらい)、財務省は”深刻で急激な円安”として、大義名分が立ち、介入しやすい状況が生まれていました。しかし今回はやや円高に進んだので財務省も、クラウチングスタートの姿勢から一旦仕切り直しとなります。
3・1.2の事情も含めたうえで、来週は米雇用統計です。財務省としては、今すぐ実弾緊急発動する為の言い訳がないだけなく、逆に様子見した方が良い理由が2つ増えた格好かなと。
この3点により「緊急性が薄れた」と感じていますが、皆様の考えはどうでしょうか。当てる、当てないではないです。想像して想定して準備するのが良い事です。
日銀会合当日の介入はあるのか
もう1点、7月30日・31日の日銀会合は警戒日とお伝えしました。日銀の公表予定では、政策決定は31日、植田総裁の会見は15時30分。
ただ、会合当日に介入まで重ねるのか?。正直、「同じ日に盛るかな」という気もしてきました。
なぜなら、FOMC後の値動きがこの後も安定していれば、あえて会合当時に為替介入を行う緊急性は生まれません。むしろ、日銀会合後の市場の動きを見て介入の判断にする方が合理性があります。それに加えて、繰り返しになりますが、来週の雇用統計の動きが読めない以上、今思いきった動きをする理由に欠けます。
とはいえ、介入は予想外でなければ介入になりません。日銀会合があるから介入できない決まりはありません。「会合日だから絶対にない」は禁物なので、頭の隅には置いておきましょう。
政府が見るのは価格水準だけでなく、動く速さや市場の乱れです。プライスショックアラートはそのための観測ツールなのですから。
備えるのは、装備と、気持ち。
少なくとも今後1週間は、日銀、地震被害と企業の再稼働、リパトリ思惑、政府の判断、米雇用統計を同時に見る必要があります。
大事なのは、介入日を当てることでなく、もういつでも来るぞと、想定して準備すること。
ロットを落とす。逆指値を雑に置かない。火災報知器が鳴る日を当てようとするのでなく、鳴った時に走れる靴を用意しておく事です。イメージトレーニングは本番の成功率を高めます。道具はそれを強固にします。
為替介入が無ければ相場が安全になる訳でもありません。介入がないだけで旧な円安、円高はいつもあります。
私はこの1週間、いつも以上に気を引き締めておきます。
皆さんも、ご安全に。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
改めまして、被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
