前回、ゴールデンクロスやデッドクロス、移動平均にタッチ・反発で買い(売り)
というセオリーで売買を続けていくと必ず負けるという話をしました。
これはどの投資本にもまず初めに書いてある基本中の基本であり、間違いではないのですが、理屈を理解しないまま覚えてしまうと一生勝てなくなってしまいます。
一生というのは大袈裟かもしれませんが、少なくとも先入観を取り除くのに多大な苦労が必要になるでしょう。
早い内に誤解を取り除いて正しく理解しておく必要があります。
その為にまず、なぜこれをつづけると負けるのか、理由を説明します。
クロスにしても、価格のタッチにしても、移動平均線(MA)の期間設定が必要になります。
良く使われるのは、5、8、13、20、21、25、34、80、89、200などです。
一般に、タッチすると言ってもどのMA期間を採用すれば良いのでしょうか。
これについて明確に答えている教科書は存在しません。
トレーダーが見ている時間軸やトレードスタイル、採用している手法によって異なる為です。
移動平均の期間は、万人に対して明確に指定するようなものではありませんから当然と言えば当然です。
そうすると、13期間を使用しているトレーダー、21期間を使用しているトレーダー、34期間を使用しているトレーダーでは見ているチャートの状態が異なり
「価格がMAタッチした後反発した」チャートを見ているトレーダー
「価格がMAタッチせずに反発した」チャートを見ているトレーダー
「価格がMAを突き抜けた」チャートを見ているトレーダー
が同時に存在する事になります。
故に、「価格がMAにタッチ(抜け)したら○○」という理論は当たる場合も外れる場合もあります。
外れた人は、いわゆるダマシに合った訳です。
ではMAを使った手法に意味はないのか。
と思われるかもしれませんが、そうではありません。
正しく理解して使えばこれほど汎用性のあるインティゲーターは他にありませんし、当然私も常に愛用しています。
ではどのようにMAを使えば良いか、
一言でいうと「目安として使う」です。
実際にグランビルの法則(MAを使った売買シグナルの法則)は今でも十分に使える法則ですし、
むしろトレードで稼ぐ以上マスターしていなければいけません。
しかし、MAにしてもグランビルの法則にしても、そこに絶対的な価値を見出して、それだけを信じても実行しても決して勝ち続けられる事はありません。
MAは過去の「傾向」を示したものであり、その結果から未来を「予測」するのに使います。
しかし、この「予測」が決して、トレードの決定打・全てではありません。
これだけでトレードする事は、いかなるスタイルのトレードでもあり得まえん。
MAの状態が、トレードの決定を後押しする諸条件の1つになる得ると言う事です。
故に「目安として使う」という表現が正しいと思います。
その発展形として、MAを最終的な判断基準とする事はありますが、基本を知らない内に、
闇雲にMAの期間設定を決めて売買を行うならトータルでは100%負けます。
では、具体的にはどのようにしてMAを使えば良いのか。
自分にあった期間設定をどのように導き出せば良いのか。
という疑問が出てくると思いますが、それについて次回説明したいと思います。
次回:移動平均線の最適期間とは
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。