勝ち易いMA期間とは?
移動平均線(MA)は最もメジャーなインジケーターの一つです。
その使い方は多種多様で、使われる期間もさまざまです。
手法によって自分なりに期間をカスタマイズして使うのが基本ですが、とくに初心者はこの期間設定で初めに悩む事になります。
これについて早い段階で解決しておく必要があるでしょう。
結論から言うと「期間は何でも良い」となりますが、いきなりこういうと余計に悩ませてしまうかと思います。
付け加えると「期間は何でも良いが、常に同じ期間のMAを使う」事が重要になります。
MAの性質
これについて、解説するにはMAの性質や本質について理解しておく必要があります。
1、MAは一定期間の価格の平均値の推移である
2、(1)により、価格がMAより上なら買い方優勢、MAより下なら売り方優勢となる
3、MAの傾きが右上なら上昇トレンド、右下なら下降トレンドと考えられる
また「平均値」であるが故に、価格は平均値に引き寄せられるような動きに見えます。
ここで注意して欲しいのは(1)の「一定期間」という言葉です。
この「期間」を変更すると、価格は同じでも、MAは向きも位置も変わります。
つまり、価格が同じでも、判断は上昇トレンドから下降トレンドに変わる事もあり、同様に売り方買い方優勢の目線も変わります。
MAは「一定期間内における、現在の、トレンド・売買の優劣」を測るのであり、万事に通用する理論ではありません。
この「一定期間」はトレーダーの生活・売買スタイルや、性格・資金量などによって個別に設定される必要があります。
例1:スウィングトレーダーの場合、MAが右肩上がりの上昇トレンドのなので、ロングでエントリーし数日~数週間で決済する。
例2:デイトレーダーの場合、MAが右下がりだったので、ショートでエントリーし数分~数時間で決済する。
※例1・2は、同日・同時刻のエントリーとします。
この様に、全く同じ時刻でエントリーしても二者の判断は異なり、売買は正反対ですが、両方正しいと言えます。
つまり、あなたが採用するトレードスタイルに応じてMA期間を最適に合わせる必要があります。
MA期間を設定する前に、自分のトレードスタイルを決定する必要があるわけです。
決めるのは、期間でなくスタイル
ただし、初心者は「自分のトレードスタイル」も解りませんので、初めは誰かの設定を真似するだけでも結構です。
これは、トレードスタイルごと真似している事に留意する必要があります。
では「トレードスタイルに応じた最適なMA期間」とは何か、となりますが、
これはトレード手法によります。
どこでエントリーしてどこで決済するかの、個人の目安としてMAを使用するのであって、万人共通の最適値はありません。
拳銃は、フロントサイト(銃口付近の出っ張り)とリアサイトで照準を合わせて撃つのが普通だと思いますが、
次元大介(ルパン三世の相棒)は、かぶっている帽子のつばで照準を合わせているそうです。
個人の目安として何を使うかは自由で、一番しっくりするものを使えば良いです。
設定値自体に良い悪いはありません。その使い方が重要だと言う事です。
例えば、私が他人の設定値をそのまま採用した場合、トレードスタイルが違えば役に立たないかもしれません。
私にとっての帽子のつばが、MAの設定値なのです。
他人がどうあれ、自分が一番勝ち易いと思っているだけの事です。
隣の敏腕トレーダーは別の設定を使っている事でしょう。
悩む場合は、複数使用して見ていちばんしっくりいくもの数本に絞れば良いでしょう。
経験則や過去検証で、自分が使っている手法に「一番マッチするMA期間」というだけでも充分な根拠になります。
MA期間をもとに手法を構築するのでなく、手法をもとにMAを設定すると考えれば、おのずとMA期間も定まる筈です。
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最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
耳の痛い話であると共に、納得の記事でした。例えば、25 50 57のSMAを入れて見たときにはまって見えるチャートがあるし、20 40 80でもはまって見えるチャートがあります。その中でも、反発したり支えられたりする期間は別々です。 商材や手法の解説にの中で設定期間が、ここでは21 SMAを使います・・というような解説が何気なくありますが、それって、非常に重要なポイントだったんですね。その手法、作者にとって最もはまって世界が見えやすくなる期間だったんですね。逆に、その期間で何か感じが合わないという時にトレードを見送るというような自然な反応が、結果として手法の精度を上げていたりするのかも知れません。
自分は、まだ軸が決まってないように思えました。
コメントありがとうございます。
MAは期間次第で判断が逆になる事がありますから、その他の環境やフィルターと合わせて使う事が多いと思います。
遅行指標である事。高値安値情報が失われている事などのMAの性質を把握して使う事も重要です。
ですので、○○さんが▽▽期間を使っているから自分も使おう、期間だけ真似て自分の手法に適用しても失敗し易いですね。