あんなにスクスク育っていた含み益ポジションが、飛ぶ鳥を落とす勢いで戻ってきて、ほんの少しでいいから復活するのを待って決済しようと思っていたら、その鳥、水中まで突っ込んで帰ってこなくて、結局マイナスで切った。ありますよね?(笑
チックショ~(コウメ太夫風に。
建値SLとは、その「チックショ~」を起こさない為に、含み益が出たところでSLをエントリー価格(ブレイクイーブン価格)まで動かし、そのトレードを「負けない状態」にする手です。
大事なのは、いつ・どこへ動かすかを先に決めておくこと。SL移動のトリガーを決めておくという事です。
ここでは私のやり方を紹介します。
建値SLとSLの違い
エントリー直後の SL は、負けを決めておくための線。
含み益が乗ってきたら、その SL を建値まで引き上げる。
これで、相場が戻ってきても損はゼロ。いわゆる「ブレークイーブン」「建値ストップ」です。これが建値SLです。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 動かす先 | 建値(エントリー価格)。スプレッド分を上乗せすることも多い |
| 動かすタイミング | 含み益が一定まで乗ったとき(自分で決める) |
| 良いところ | そのトレードの負けが消える。保有中にチャートへ張り付かなくていい |
| 弱いところ | 動かすのが早すぎると、押し目で刈られて利益を逃す |
建値SLはいつ動かす?私の決め方
エントリーの前に「SL・建値へ移動させるタイミング・TP」の3つを決める
保有中にチャートを見過ぎると、人は予定にない行動をとります。猫ちゃんを想像してください。動くものがあると飛びついちゃいますよね。あれと同じです。
特にトレードでは、含み益を見て欲が出る、含み損を見て祈り出すなど、利害の当事者になると、客観的ではいられません。
なのでエントリー時点で「SL・建値へ移動させるタイミング・TP」の3つを決めます。
保有後に考えることを、エントリー前に済ませておく。これがベターで原則です。
動かす合図は「建値とTPの間」に置く
私は、建値と TP の間に「ここを越えたら建値へ」という線を置きます。これがSL移動のトリガーになります。
エントリー直後に動かすと、ちょっとした押しで刈られる。かといって TP の手前まで待つと、間に合わない。
その間のどこに置くかは、手法と時間足しだいですが、私の場合は固定値(絶対値)にする事が多いです。絶対値とは価格そのものです。
その価格にいつ到達するかは神の味噌汁なので自動化します。ここからは私個人のオリジナルツールで説明します。
動かす先は、建値ぴったりより少し上
建値ぴったりだと、スプレッドの分だけ負けます。
私の設定例は「建値+1pips」。わずかでも勝ちで終わる位置です。
ポジションを2つ以上持っているときは、それぞれの建値へ動かすか、全部を同じ価格にそろえるかを選びます。
つまりここまでを機械的に自動化します。


建値SLになったら、攻めてもいい
建値SLにしたポジションは、もう負けません。いわば「リスク0の無敵ポジション」。
私はここから、チャンスがあれば増し玉もします。逆に不利になってきたら間引く。
守りを先に固めるから、攻められる。この流れは動画で話しています。
まずパンツを履かなきゃ勝負になりません。武装を強化しつつ様子をみて総ポジションを膨らませていきます。
▲ エントリー後に建値SLで「リスク0のポジション」を作り、増し玉・間引きまで行う私のポジションコントロール(2026年・約27分)。※2026年の MT5 の画面です。文章で読むなら記事「【MT5】私のポジションコントロールの基本方針と実践」へ。
本当に効くのか?自分で確かめる方法
「まずは生き残れ。儲けるのはその後だ」とは、ジョージ・ソロスの戒律です。
ただ、人の言葉より自分で確かめた方が早い。建値SLの効果は、手法と切り離して確かめられます。
- 根拠なしでエントリーする(買いと売りの両方)
- SL は直近の高値・安値(1時間足)に置く
- TP は損益比 1.1〜1.5 くらいに置く
- 建値へ動かす合図を、建値と TP の間に置く
- これを 7通貨ペア以上で同時にやる
同じ条件で、建値へ動かす場合と動かさない場合を比べる。
結果を自分の目で見ると、建値SLの意味が腹に落ちます。私もこの検証をやりました。
手で動かす?自動にする?
手でやる:SL を建値に書き換えるだけ
ポジションの SL を、建値に変更する。やることはこれだけです。
問題は、その瞬間にチャートの前にいるかどうか。なので兼業や深夜だと対応できません。
自動化は兼業トレーダーに便利ですが、専業でも役立ちます。理由は、このあとの「裁量自動化の優位性」で述べます。
MT5の標準機能:トレール注文は「距離で追いかける」
MT5 の「トレール注文(トレーリングストップ)」は、価格から指定した距離を保って SL が追いかける仕組みです。
「建値へ」「この線を越えたら」という指定はできません。MT5 を閉じている間も動きません。(MetaTrader 5 ヘルプ:トレール注文・2026年10月閲覧)
裁量自動化の優位性
全部の通貨ペアをずっと見張るのは無理ゲーっす。聖徳太子ならできそうですが、その間政治はおろそかになりそうです(笑
だから自分用の EA を作りました。それが今の ProEX5 です。
決めた線に価格が触れたら、SL が建値へ動く。気分が入る余地をなくすトレード道具です。

▲ SL が建値へ動く様子の解説(約9分)。※2017年の MT4 版(ProEX)の画面です。考え方は MT5 版の ProEX5 も同じです。
よくある質問
Q. 建値SLにしたら、すぐ刈られるのはなぜ?
動かすのが早すぎるか、建値ぴったりに置いているかのどちらかが多いです。合図を建値と TP の間まで離し、動かす先も建値より少し上にすると減ります。
Q. 建値ストップのやり方は?
手でやるなら、ポジションの SL を建値に変更するだけです。毎回チャートを見ていられないなら、EA で「この線を越えたら建値へ」と自動にします。MT5 標準のトレール注文は距離で追いかける仕組みで、「建値へ」という指定はできません。
Q. 建値SLは必ず使ったほうがいいですか?
勝ちが増える保証はありません。早すぎると、伸びる利益を逃します。いつ動かすかを自分のルールとして先に決め、上の方法で効果を確かめてから使うのがおすすめです。
まとめ
建値SLは、勝ち方の技というより「負けを消す」技。
エントリーの前に、SL・建値へ移動させるタイミング・TP の3つを決める。
動かす合図は建値と TP の間、動かす先は建値より少し上。
あとは手でも自動でも、決めたとおりに動かすだけ。
※この記事について
「建値SL」「建値ストップ」は、2017年にこの記事の初版を書いた頃から、今も検索で探され続けているテーマです。
そこで、読者の方が実際に検索している言葉をもとに「いま知りたいこと」を AI が洗い出し、私のやり方と MT5 公式の説明に1つずつ照らし合わせて、必要な情報だけをまとめ直しました。
古い手順や今は無い機能は外し、内容は私が確認しています。
