二人の勝者
勝っているトレーダーも二種類いると言えます。
偶然勝っているトレーダーと、そうでないトレーダーです。
昨日勝てたのは、偶然でしょうか必然でしょうか。その前はどうでしょう?
自信を持って必然と断言できる勝ちがあるでしょうか。
偶然の勝ちに意味はない
偶発的勝者は大勢います。昨日勝った人も山ほどいます。FXは目をつぶってクリックしても勝てる事がありますが、偶然拾った勝ちには意味がなく、計画的な勝ちにだけ継続的な意味があります。
偶然勝ってるだけの状態は、特に初心者にとって成長としても利益としてもほとんど意味はなく、むしろ慢心を生む弊害さえあります。(実際は全く無意味ではないですがその話はまたどこかで。趣旨がブレちゃうので。)
戦略的に勝て
戦略的に勝つとは、ここでは長期計画的に勝つと同義で、偶然でない勝ちのこと。
ですが、
相場の値動きを誰も予言できない以上、トレード単体の勝ち負けは誰も予定できません。
勝ちを予定できない以上、偶然の勝ちから抜けだせないのでしょうか。
このジレンマの解決法は、次のように考えると解り易いと思います。
戦略的準備
スポーツの試合も自分の都合だけで勝ちを予定するのは困難です。「明日は必ず勝つ」「優勝する」というのは、意気込みや目標であって決定事項ではありません。
勝ちを予定できない点でトレードと似ています。相場も対人ゲームですから自分のやる気だけでは決まりません。
ですがスポーツもトレードも偶然の要素以外で勝つ事は、できます。その手段は、勝つ確率を少しでも上げる為に練習し試合に備えるという事。
トレーニングや学習は個人の問題なので確実に予定できます。
準備は予定でき、予定された準備が勝利を引き寄せます。
その結果、戦略的勝ちを期待できるのです。
勝敗は結果
つまり確実な勝利はなく確率的な勝利があります。
確率的勝利を高める為の最善の方法が、確実に行う準備ということになります。
確実な準備による確率的勝利、これがここでいう戦略的(計画的)に勝て。という意味です。
そしてその準備の具体例としては次のようなモノになります。
(補足)
先程、勝つ確率という言葉を使いましたが、勝率も結果に過ぎません。ここで言う戦略的勝利とは、単に手法の勝率を上げる事ではないのでご注意ください。勝率は期待値やPFの概念と無関係では語れず、むしろ期待値を最重要とするトレードにおいて勝率はあまり意味がありません。FX初学者は勝率の大小に意識がいきがちですが勝率だけを重視するのは間違いです。ただし勝率が低い方が良いという意味ではありません。高勝率でも良い手法は存在します。ただ「勝率だけ」では判断できないということです。
準備の準備
予定できることを予定する
「人間が予測できない事象」を予測しようとする姿勢はカッコイイかもしれませんが困難です。
そして、予定できることに対して準備しないのは、怠慢です。
これらを両方やっているとしたら、めっぽう負けても不思議ではないでしょう。
学習の予定、シナリオの予定、メンタル管理の予定など、誰がするでもない、自分ですべきことをしっかりと計画し、予定し、実行します。
当然ながら準備や予定はトレード前に完了しておく必要があります。
負け額は自分で決められる
トレード内で唯一、予定できる事があるとすればそれは損失額であり狭義には損切値(SL値)の設定です。ブローカーによっては損失額はほぼ正確に予定できます。(私が使ってるブローカー)
(逆説的ですが)予測不能だからこそ来ると解っている損失に備えないのは、勝利の放棄とも言えます。
この損失額の予定こそが最も戦略的な部分と考えます。勝利を放棄しない基盤になるからです。
その後、その戦略をどのように/どうすれば実行できるかの戦術的なしくみを準備し、最後に戦法的な方法論で具体・直接的な実行に落とし込みます。
あなたがいまどのフェーズかは分かりませんが、これから始めるのであれば戦略・戦術・戦法の順に構築する必要があります。初心者は戦略が完成しないうちに戦法構築(手法集めなどの準備)に傾倒しそのまま深みにハマって戻ってこれない事がありますので注意が必要です。
冒頭の質問をもういちど
昨日の勝ちは偶然の勝ちでしょうか。戦略的な勝ちだったでしょうか。
昨日の負けはどうでしょう。戦略的負けは問題ありません。むしろ前に進んでいます。
準備し、計画された戦略的勝敗であるなら、いずれ恒常的勝者になるのは、必然かもしれませんね。
最後まで読んで頂きありがとうございます。