今回ちょっと、長いです。
- 闘争闘争本能
- 計画と展望
- 行動経済学
- 恐怖による感情のレバレッジ
- 感情の立て直し方
- 生存本能
- 余談
の章から成ります。
3000文字なので5~10分目安です。
全部別にしてブログ更新回数を増やしても良いんですが、一応繋がっているので1ページにしました。
闘争逃走反応
人間には逃走・闘争反応(Fight/Flight Response) と呼ばれるものが人間に備わっいて、脳は
目の前の危機に全力で対応するように作られているそうです。
「全力で」というのは、文字通り他の機能を停止してでも危機回避にエネルギーに回すと言う事です。
これは、大昔から生命維持・生存率向上を繰り返してきた脳からの至上命令です。
マンモスに襲われている最中に将来設計を考えたりしませんよね。
今を生き伸びなければ、将来展望は無意味なのでまず危険回避するようシステムされている訳です。
つまり、危機的状況にあるほど、将来の事を考えらず、目先の利益を優先します。
これは生きる為に必要で正しい反応と言えます。
計画と展望
先人の実験によると、
富裕層と貧困層の二者に、将来の展望を尋ねたところと、
富裕層がより遠い未来の話をするのに対し、 貧困層は直近の予定を話す事が解っています。
直近の予定とは、夕方ご飯を作るとか、明日の会議で…とか、今週の休みは… という、具体的で視野が狭い話です。
一方、富裕層は、5年以内には●●で、とか10年後に○○という話をする傾向にあり、 抽象的で広い視野を持っていることが解りました。
※より未来の事を考える人が富裕層になったという考えも出来ます。(実験結果は相関を示すだけで因果関係は示しません)
お金の事に限らず、
心に余裕がないとその分、目先の未来の事しか考えられなくなります。
闘争逃走反応に似ていますね。
この”余裕のない状態”の極致にあるのが、トレードです。
自らの資金をリスクに晒す、恐怖・危機的状況におかれたトレーダーは、数分先の事しか考えないかもしれません。あなたはどうでしょうか。
行動経済学
更にトレードでは、プロスペクトセオリーに代表される投資家心理が加わります。
含益の時は、利益が出ている内に「早め」に決済したいと考え、
含損の時は、回復するまで待って「遅め」に確定したいと考えます。
つまるところ、利食いが早く、損切りが遅いので利小損大になり、繰り返すほど負けやすくなります。大多数の人が同じ行動を取ると言われているので、まさに人間はリスク愛好家の側面を持っています。
例えば勝率45%(損益比1:1)なら、
直近のトレードで連勝する事もありますが 永遠にこれを続けるとトータルでは100%に近い確率で負けますよね。
勝率が5割でも、平均リスクリワードが僅かにマイナスなら同じ事です。
つまりこの逆をする事です。
勝率55%程度でも一貫性を持って徹底すれば、一時的な連敗を含めても長期的には高い確率で勝ち越します。
損益比率を考慮すればもっと勝てる確率は上がるでしょう。
カジノやパチンコ屋がやっているのはこれと同じような事です。店側は、台によって勝ち負けのリスクはありますがトータルすると必ず勝つよう計算されています。
恐怖による感情のレバレッジ
オーバーロット(ポジションサイジング)は、トレーダーの危機感を倍増させます。
平常心でも、プロスペクト理論によって、負けやすく、
スプレッド(手数料)によって、勝率は1/2以下であり、
闘争逃走反応によって感情は目先の行動(逃げるか闘うか)にフォーカスされる。
どおりでFXでは9割が負ける訳ですよね(笑
先日公開したトレードは、いつもより大きな反響を頂きました。
私の屍を乗り越えるつもりで観て欲しいと思っていましたが、
「感動した」「勇気付けられた」 「肩の荷が下りた」
とのご意見をいただきました。
感動して頂くつもりはなかったのですが(笑、
恥ずかしさに耐えて公開して良かったと思います。
まだ見ていない方はこちら
何度読んでも面白いと好評頂いてます(苦笑
感情の立てなおし方
トレード中にこの様な危機的状況に陥った時に、行動を修正するにはどうしたら良いでしょうか。
最も効果的なのはアナログですが、「深呼吸」です。
感情と、心拍数は密接な関係にあります。
つまり、自律神経系に意図的に関与し、交感神経系の機能を抑え、脳を欺き、冷静になるのです。
「落ち付け、落ち付け」と言いながらチャートを凝視していても逆効果です。
「白クマの事だけは考えるな」の例えと同じで、むしろ今まで以上に考えてしまいます。
こういう時は、「頭」でなく「身体」の方を変える事で、冷静さを強制します。
頭を冷やすには「身体」「場所」「時間」のいずれかを変えると効果的ですが、 トレードの真っ最中「身体」を変えるのがいちばんやりやすいでしょう。
しかし、一番効果的な方法であるものの現実問題として、深呼吸も初心者にはほとんど効果がありません。
初めのうちは「感情に支配されたら終わり」くらい思っておきましょう。
「不可能」と表現するとネガティブイメージがありますが、 「そういうものと対峙しているんだ」という心構え・意識を持つ事で、メタ認知しやすくなります。
なってから対処するのでなく、
『そうならないよう準備を万全にする』がミソです。
ボクサーがマウント取られたら絶望的ですよね。
ボクサーは『そうならない』からボクサーなのです。
トレーダーは感情に捕らわれたら終わりです。
一応、その他の対処法を上げておくと、
音楽、アロマ、瞑想、なども代表的で効果の高い施策です。
掃除、読書、ジョギング、散歩、筋トレ、映画鑑賞などで、 頭の中を入れ替えてしまうのも良い方法です。リフレッシュというやつです。
身体にも良い事ばかりなのでやってみて損する事はありません。
私のおすすめはジョギングですが、相性があるので自分にあっているものなら何でも良いですし、全く効果がない場合もあります。
カラオケ・焼き肉とかでも良いと思いますよ。トレード中にはできませんが。
生存本能
ちなみに、目先の利益を優先させる傾向も、本能的なものと考えられています。
ホモサピエンスの歴史としては、明日死ぬかも知れない毎日を暮らしていた期間の方が長く、
冷蔵庫どころか、明日生きている保証もない世界、 目の前の餌は「見付けたらすぐ食べる」
これが生存率を高め、この本能を受け継いた者が繁栄したと言う事でしょう。(贅肉は飢餓に備えたエネルギーの貯蓄システムですよね)
手法は買えば済みますが、本能を修正するのは難しいですよね。
クモに「巣を張るな」といっても、張るでしょう。
「あぁ~、だめだ、どうしても張っちゃう!」てな感じで(笑
勝ちトレードばかりの公開や、いくら手法を説明していても、勝てる事にはならない理由がここにあります。
多くの人が「手法」を求めますが、私が推しているメンタルの重要性がお解り頂けると思います。
習得が最も困難だから最重要という意味ですよ。
相場というフィールドは、理論武装された人間の理性をはがし、本能だけの丸裸にされた状態に近くなります。
フリチンで闘っているのです。
医者や学者が負ける理由もうなずけます。
だからこそ、チャンスがある、
そう、思いませんか。
余談
実は、私はこのトレード(最低のトレード)の前、3回に亘り映画館に足を運ぶも、映画を観る事が出来ず、
4度目にしてやっと観れた「スターウォーズ・フォースの覚醒」(4DX)があまりに期待外れで、
述べ15時間以上は『無駄にした感』に捉われてなんだかイライラしてたんです(笑
これが翌日以降のの、GBP/USD、USD/JPYのの悲劇に繋がっていきます。
心のどこかで、生産性のない無駄な時間を取り返そうと思っていたんですね。
そこにミスと値動きの相乗効果がトリガーとなって、感情に支配させる隙を与えた訳です。
リフレッシュの映画鑑賞がアダになってました(汗
倍速でDVD鑑賞する私の時短術も、映画館では使えませんからね(笑
この話とは離れますが、私生活に慢性的な悩みや不安を抱えていると、トレードに弊害があります。
理由は、生活全般が危機的状況下にあるからです。
危機的状況で人間がどのように行動するか、もうお解りですよね。
トレードで負ける理由が、映画だなんて考えた事あるでしょうか。
手法や相場を考えるより、簡単で確実かもしれませんよ。
長文最後まで読んで頂き、ありがとうございます。