バイアスに突入しないコツ
客観思考を要求されるトレードにとってバイアス(思い込み)は深刻な問題です。相場に待つ七人の敵の一人と言って良いでしょう。
研究によるとバイアスは無意識下で働きかけるため、例え存在を知っていたとしても影響を受け、また無意識ゆえ自覚することもできないと言われています。
解っていても攻撃を受け、しかもそれに自覚できないヤバイ敵。(何らかのスタンド攻撃かッ)
自覚さえできないのに、どう対処すれば良いでしょうか。
そのコツは
『自分はバイアスに陥っていると強く信じ込む』です。
つまり、自覚不能なバイアスに対し自家製バイアスを植え付けて対抗するという事です。
お前はトラだ、トラになるのだ・・・いや、トラなのだ。
ここで重要なのは「自分もバイアスにハマってるかもしれないと常に疑う」とか「ハマらないように細心の注意を持ち続ける」とか「ハマってたまるかと鉄の自制心を鍛える」とかでなく、
もう完全に「自分はバイアスにハマってる」と思い込む事です。
仮に”バイアスハマリ”に勝ち負けがあるとするなら、もう完全に負けスタートで行動します。疑念や抵抗でなく断定的に考えるのがコツです。
「ハマるハマらないじゃない、もうハマっているんだ」という意識がベスト。
注意点
同じ”思い込み”でも「理想のトレーダー像を想像してそのように振る舞う」という方法は、バイアス排除においてはマイナスに作用する可能性が高いので注意が必要です。
モデリングやロープレ(役割演技)も効果が立証された良い学習方法です。これらは、理想をトレース(模擬)し擬似環境で実践の対応力を身につけます。イメージトレーニングとしてスポーツのトッププレイヤーや宇宙飛行士なども行います。が、バイアス排除においては応用しないことをおススメします。
なぜなら、
「自分は明鏡止水境地のトップトレーダーであり絶対にバイアスにかからない」というポジティブな思い込みでさえ、むしろ一生バイアスに気づく事ができない理由を自ら生み出してしまうからです。
まあ、本人的には(思い込みゆえ)バイアスにハマっていないと言い張れるのですが、、傍からみると少し悲しい状態です。ハゲてるのに本人はまだ全然ハゲてない。(額が広いだけ)と思いこんでいるような。。
(それは俺か!いや、違うな。)←こういうこと。
仕事でもミスを前提にしたチェックと完璧を前提にしたチェックでは完成度が違いますよね。日常でも気をつけたい内容です。
バイアス・ブラインド・スポット
このような状態はバイアスブラインドスポットと呼ばれ、他人からは一目瞭然なのに本人は気づきにくい特徴があります。
ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)や恋の魔法もバイアスの一種と言えます。傍から見ると冷静とは言えない判断も言動も、当人の中では見たいと欲するものが見たいように見え、解釈され、正当化されます。
いつの間にか都合の良い相場情報ばかり拾い集め、自分でも知らない内に偏った分析に基づいて売買しているとすれば、恐ろしい事ではないでしょうか。
バイアスに関しては、バイアスにハマっていない段階で「バイアスにハマっている自覚を持つ」訓練が必要です。なぜなら一度バイアスにハマってしまえばバイアスにハマっている間はバイアスを自覚できないからです。(我思う故に我あり的な?幻術にハマってる的な?)
ですからハマる前に自分にあった方法を事前に対策する必要があります。
(おまけ)その他のバイアス対策
私のケース
鉄の精神力を持ち合わせていない私はトレードでメンタルを最重要視しています。肉体的にも精神的にも心が揺れると判断力は低下します。判断は利益に直結します。私が初期Verからツールにつけてる一発非表示機能は視覚情報によって偏る思考をリセットする為ですが、このように自分に合ったバイアス対策をバイアスハマリ前から常備する事で判断を正常化し、小さな動作ですが私にとっては大きな影響があります。毎日チャートを見ていると自然にバイアスの罠にハマるわけですがその同じチャート内で反バイアスを意識する暗示を自然に行っているとも言えます。これがバイアスに突入しない抜け道(バイパス)になります。
反バイアス暗示のきっかけ(動作)が分析作業と一体化しているので自然にニュートラルを維持しやすい環境を作ってトレードしているというわけです。
バイアスからの確実な脱出法
バイアスにハマってしまったら脱出は難しいのでハマる前に回避するのが最善策です。
ですがもしハマり後に脱出したいのであれば最も確実な方法は、他人に現場を見て指摘してもらう事です。前述のとおり他人から見れば一目瞭然ですから。。現役トレーダーに見てもらうに越した事が無いのは言うまでもありません。
ただし私のようなボッチトレーダーはそのような環境にないので現実的な解決策とは言えません。孤独なトレーダーはセルフで解決しなければなりません。ルールの監視役などはトレード経験の無い奥さんや旦那に指摘してもらっても良いと思いますが、相場のバイアス指摘となると、ふたりともハマってしまうと危険ですのでおススメはできません。
これらの他にも気分転換を含めたさまざまな対策法がありますが今回は最も効果の高い方法に絞って紹介しています。