4年に一度のチャンスか
「米大統領選の年はドル高に振れやすい」は本当かを検証してみます。
大国アメリカの選挙は世界に影響する4年に一度の大イベントのひとつです。
この年、ドル高になりやすいというのは、”強いアメリカ、強いドルを示したい与党の政策”(アピール)の影響、というのが論拠ですが果たしでどうでしょうか。
大統領選イヤーの動向
上図は大統領選周期で色付けしています。
- 灰色エリア:選挙の年
- 赤縦ライン:新大統領の任期スタート月
大統領選は半年以上に渡って段階的に行われ、選ばれた大統領は翌年1月から任期開始となります。
上チャートでは、選挙の年、任期開始年ともに顕著なドル高傾向とは言いづらいと思います。
少し見づらいので、注目期間の高値安値をマークしてみました。
- 緑:選挙年の始値
- 赤:選挙年の終値/任期開始年の始値
- 青:任期開始年の終値
- 橙:緑~青を大体、結んだ線
ドル高派に好意的に解釈すれば、過去6回の内4回で緑→青にかけてドル高になっています。
「過去30年の傾向で66%の確率でドル高になる」、、と表現できなくはないですが、ちょっと乱暴ですよね。6回という標本も少なすぎます。
また30年前の情報伝達や影響力の変化、世界情勢の違いを考えると、同じチャートとは言え現在も基準として比べて良いかさえ疑問です。
(このあたりが自動売買や他人の手法で勝ち続けられない理由のひとつですね。)
検証結果
簡単な検証でしたが、以上の事から、大統領選という理由のみでドル高に振れる可能性は、今年も低いと思います。
ただし
「大統領選」でなく、「大統領選こみ」で判断する場合、今年は動く年の可能性を秘めています。
大統領選「きっかけ」「起爆剤」「相乗効果」、、そんなイメージです。
ここからはその理由を私の見解で解説しますが、あくまで判断はあなた自身が行うと約束してくださいね。私が掲示したチャートを鵜呑みにせず自分でチャートを開いて自分でも検証、確認してください。それがトレーダーです。
基礎知識:チャートはなぜ動くか?
チャートの動きはプレイヤーの行動です。プレイヤーの行動起点は材料(ファンダメンタルズ)です※チャート自体も材料に成りえます(ソロスの再帰性)。
ファンダはきっかけであってその後トレンドが続くかどうかはプレイヤーの動きやせめぎ合いの結果になります。
基礎を踏まえて、局所を考察してみると
次図は同じチャートを使用して次のようにマークしています。
- 灰:大統領選の年
- 青:大統領選の年の10月
10月(青)前後は大統領選が活気を帯びて加熱する時期と言えます。”佳境”ですね。
流れを解り易くするために10月までのトレンド方向にラインを加えてみます。
- 赤:大統領選の年の10月までの大雑把なトレンド(意図的に誇張して引いています)
- 水:10月前後のエリア
青線以降の足の長さは、青線までの足の長さに比べて長くなっているように見えます。
錯視も考えられるので、念の為BBを入れてボラをみてみます。
縦長の水色エリア最左の青ラインが10月足です。BBのエクスパンションを見てみましょう。
西暦が現在に近づくほど、顕著なボラ拡大が観測されます。また少なくも”収縮傾向にある”とは言いづらい動きと言えます。
ですが、実はそれより私が注目するのは足型です。
Rの法則を読んだ方は解ると思いますが水色エリアの全てでRの法則が提唱する転換足が出現しています。
通常この足を待つ事自体に苦労しますが、ここではマーキングした全エリアで転換足を観測し、更にその精度は”10月か11月のどちらかが転換足”というピンポイントです。また転換足以降の価格の動きにダマシがなく、全て予測方向へ動いています。
その他の補足
- 緑:トライアングル
上チャートの左から2番めの水色エリアでは、大きなトレンドライン(赤)をブレイクした後、トライアングル(緑)で揉み合い、その後トライアングルを上抜け(青)して本格的な上昇に転じています。
教科書のような ダウントレンド → レンジ → アップトレンド です。
ただ、
選挙のときにこの動きに成りやすいという意味ではないので注意していください。
毎回この時期ドンピシャで転換点が現れた(過去6回100%)理由は、熱気を帯びる市場がラインブレイクに利用されやすい、と表現する方が良いでしょう。
この時期に三角持ち合いパターンが現れるのでなく、見やすいチャートパターンと大統領選が重なった時、相場はより素直に動く可能性を秘めているという事です。なぜならいつもより注目度が高まっている(大衆参加者が多い)からです。
もちろん、その年、その時、選挙以外の材料も影響します。
今年も、戦争の火種、病の流行、オリンピック、EU離脱の影響、etc
他にも日銀政策なども定期で発生しますが、大統領選という世界共通イベントと重なった時は、それらが重ならない時よりも大きく動く可能性を持っています。
必ず大きく動くという意味でなく、例えば通常のボラが30~70(中央値≒50)だとして、それが1~100(中央値≒50)になるイメージです。※中央値は変わらない
全く動かない可能性も同じくらいありますが、動くとしたら大きめかも。という事ですね。これが何を意味するか解りますよね。
結局、今年は。
当然ながら、解りません。(オイっ)
もちろん
価格の行き先は神のみが知るところですが、上がるか下がるか解らなくても構えて準備はできます。ていうか、もともとそういうモンです。これも裁量トレードの強みです。
チャートは今の所なかなか見やすい
進路よし、風よし、準備よし。
備えあれば憂いなし。
トレンドラインは「今と同じ調子ならちょうど10月に良いタイミングになりそう」な事を示唆しています。トライアングルを保ったまま10月になってくれればトレードに利用しやすいので私は嬉しいです。10月迄にトライアングルを抜けた場合も、その後の動きが緩慢なら10月にローリングリバーサルの動きで改めて本格的に動きやすくなります。
ただ、今年は世界情勢も活発ですし10月にこの三角持ち合いを保っているかどうかも勿論不確実です。またオリンピックは定例行事ですが、今年は日本です。日本は三大通貨の一角です。オリンピックで○○や■■な事が起これば、いつもよりも円に影響するでしょうし、いつもよりも円に影響させやすいと思う人もいるでしょう。円もドルも良く動く、となるとブル・ベアの戦いをもっと良く見る必要があるでしょう。
その値動きの可能性を考慮し、低リスクな場所を監視し、来る日に準備している者が、ボーナスに参加する権利を得るのではないでしょうか。
ラインを引き、アラートを待ち、参加権があるのなら、参戦しても良いかもしれません。
信じるか信じないかはあなた次第です。(誰だよ)
テカムセの呪い
ちなみに今年選出される大統領は「テカムセの呪い」と言って20年周期の受難の年らしいです。信じるか信じないかは大統領次第でしょうけどね。
※注意:ここに記述したのは事実や過去事例に基づく確率等であり、個別通貨の売り買いまたはFXトレード自体を推奨するものではありません。FXトレードは大きなリスクを伴う投資案件です。投資判断、分析はご自身で行ってください。
最後まで読んで頂きありがとうございます。