第五章・移動平均線
次にMA(移動平均線)を使った解説です。
MA解説の留意点
初めにお伝えしておきますが、MAを使った説明は誰でも出来ます。
MAは遅行指標ですので、価格の後から付いてくるのがMAです。
また、ここではあえてMAの期間設定を明示しません。
MAの期間を変えれば、過去のチャートに対していくらでも最適化できます。
「○○期間のMA」に固定した理論と考えるのでなく、自力となる「概念」を身に付けるよう解釈して下さい。
特定の手法を使用する時以外に、期間にこだわる必要はありません。
ここでは原則的な判断として解るように説明しています。
MAによる解説
緑が長期・赤が短期EMAです。
まず、チャート中腹部は一瞥して買い方優勢の状況です。
長期MAの上に短期MA・価格が位置しているからです。
短期MA・ローソク足とも、長期MA付近で反発上昇しているのが解ります(青○)
しかし赤○でのデッドクロス後、長期MAを抜ける事が出来ず、デッドクロスという王道パターン通り下げに転じています。
この事は、赤○地点で長期MAの傾きが横ばいになっている時点である程度予測ができます。
中腹部までの長期MAは右肩上がりですが、赤○地点では水平(レンジ)状態となっており、今後の下落を予感させます。
MAは、MAの角度、MAと価格の位置関係(上下の別と乖離幅)が重要です。
グランビルの法則通りの値動きとなっています。
ここまでは教科書通りの相場が展開されています。
しかし、先述のように私のエントリーポイントは、この状態で見ると明らかに売りエリアです。
この事でお解り頂けると思いますが、MAより水平線を重視しているという事です。
MAらしくグランビルの法則を使って説明するなら、MAから乖離し過ぎた後の戻りという事になります。
しかしどこまで乖離するか、どこで戻るかは解りません。
そんな悩める少女の目の前に、素敵なラインがあるじゃないですか。
そう、例の水平線です。
このラインを使わないのはトレーダーにとって罪でしょう。
MAは遅行指標です。
すなわち価格の後追いですから、今後のMAを形づくるのも価格です。
トレードは、今後の価格を予測してエントリーしていると言えますが、
MAの動きも予測してエントリーしていると言い変える事ができます。
MAは期間で判断が変わる
ちなみに、MAの期間を変えると↓チャートの様になります。
いきなりエントリーポイントになりました。
このようにMAは使用する期間によって判断が異なります。
冒頭で説明したように、MAは期間さえ変えれば誰でももっともらしく解説できます。
この点に注意して、相場の本質を理解するようにして下さい。
このように説明するとあまりMAに利点が無いように感じるかも知れませんが、
使い方や組み合わせ次第で威力を発揮するので、是非自分の手法に合わせた最適な期間を見付けて下さい。
余談:MAに向いている手法
MAの事をフォローする訳ではありませんが、
MAはトレンドフォロー型の売買に適しています(フォローする訳ですが・・・ププ)
例えば、本エントリーのその後を見て見ると下のようになります。
それぞれの○は、エントリー後に、短期MA・長期MAに価格が接触した地点です。
長期MAを基準にした場合は、私のエグジットポイントより約2倍程度の利益があった事になります。
このようにトレンドフォロー戦術でMAを基準に売買した場合、MAに接触しない限り利益が伸び続けます。
MAの値が建て値を超えた時点で負けが無くなり、かつ青天井に利益を追いかける事が可能です。
エントリーポイントが少々ずれてもその分大きく狙える利点があり
初心者にも理解しやすい手法です。
表示のチャートは1時間足なので、長めのホールドになります。
この間、資金運用効率が悪くなる事も考えられますので、資金や、性格・生活スタイルにあった手法を使うようにしましょう。
MAトレール
MAの接触を当インジのアラートで感知して手動決済でも良いですし、メルマガ特典のMAEX(EA)の自動決済も活用できます。
・就寝前やチャートに付きっきりになれない時
・ノーリスクで伸ばせるだけ伸ばしたい時
はこのような手段で対応します。
自動決済は手動より良いポイントで決済できる事もあり便利ですが、
手放しで他の事が出来るのでFX以外の面でも助かります。
しかし、あくまで使う側がその特性や意味を理解している事が重要です。
「チャートにEAをセットしたら勝てた」
これはこれで良い事ですが、マシンの性能だけで勝っていると、いつか大事故を起こすものです。
次回はBB(ボリンジャーバンド)を使った解説です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。