当選確率2分の1のギャンブルを2回行って当たりを引く確率は63%ですよね!?

当たり率1/2のギャンブルを2回行ったとき当たりを引く確率は何%か?

  • Aさんの見解:100%当たりを引ける
  • Bさんの見解:2回行おうと何回行おうと、確率は50%のまま

私も始めは直感的にこの様に思っていた事がありますがこれは数字の錯覚で、実は63%です。これは覚えていて損のない知識です。ただ重要な補足が2つあります。それは、独立試行か否か、と、試行回数(選択肢の数)の有無です。

A、B、の誤解

Aさんが

頭に想像しているのは、箱の中の2つの玉がありそのうち1つが当たりというくじのようなものです。これは1度目の実行結果が2度目以降の結果に影響する従属試行型の確率です。モンティ・ホール問題に似ています。この場合、このくじ引きを2回行えば100%当たりを引きます。スーパーの抽選会やあみだくじがこのタイプです。

Bさんが

想像しているのは、1度目のくじを引いたあと、その玉を箱の中に戻して2度めの抽選を行う場合です。この場合、毎回(1回ずつ)の当選確率は1/2です。これは前回までの抽選結果が次回以降になんら影響しない独立試行です。ナンバーズやサイコロがこのタイプです。

表題では「確率1/2のギャンブルを2回行った場合」と述べているのでこの場合は63%になります。100%でも50%でもありません。

本当かどうか計算してみる

どういう事か説明します。サイコロを振って偶数が出る確率は1/2です。ここでは偶数が出たら当たりとします。

サイコロを2回振った場合の全パターンは下の4通り。

  1回目 2回目
パターンA 偶数 偶数
パターンB 偶数 奇数
パターンC 奇数 偶数
パターンD 奇数 奇数

この内、2回とも奇数しか引かない(当たりが出なかった)パターンはDのみ。つまり1/4、25%です。なので2回の内少なくとも1回は当たりを引く確率はそれ以外の3/4、75%になります(100%-25%=75%)。ここでは63%より高い確率です。

これと同様にこんどは当たり確率1/4のギャンブルを4回する場合、一回のハズレ確率は3/4なのでこれを4回行って4回全てハズレる確率は、3/4*3/4*3/4*3/4=81/256(≒31.6%)。

4回の内少なくとも1回あたりを引く確率は約68.4%となります(100%-約31.6%=約68.4%)。

そして63へ

先程のようにして、確率が1/100でも1/1000でも同様に計算でき、分母の数が大きくなるほど63%に近くなります。

まとめると確率1/NのギャンブルをN回行って少なくとも1回あたりを引く確率は約63%、となります。 (本来はもっと賢い計算式で表せるのですが、私のブレインでは四則計算の積み重ねによる根性で理解に努めてます汗)

難解な計算式を覚えるよりも大事な事があります。解っていただきたいのは直感的なアタリハズレの感覚と、計算によるアタリハズレの確率は異なるという事です。有名なギャンブラーの誤謬というのがありますが、まさにこのような錯覚を含んでいると言えるでしょう。

計算ができる/出来ないでなく、この事を知って少し理解が進むと応用は大きく広がります。

トレードに応用するなら?

例えば、あなたの勝率で1ヶ月に○回トレードをするとき、少なくともその内1回勝つ確率は何%でしょうか?逆に全敗する可能性は?

他にも考えを巡らせます。仮に勝率50%の手法がある時、2回行って少なくとも1回勝つ確率は63%。言い方を変えれば1/3以上の確率で2連敗します。
更に言えば、少なくとも1回以上勝つパターンは3種類ありますがその内2パターンは[B:勝ち、負け][C:負け、勝ち]であり、損益比率が同じなら勝てていません。損益比率が同じ場合、利益を残せるのはパターンAのみ、つまりトレードを2回行った場合、勝率50%でも25%しか勝てない事になります(残り50%が引き分け、25%が負け)。トータルはプラマイゼロになるので勝率50%に間違いはありませんけどね。

この様に考えたとき、1度の勝ちの額が貴重である事が解ります。

そして損益比率が重要であることに気づきます。勝率を落とさずに損益比率を上げる事ができれば、勝率50%でも4回の内3回で利益を残せる理屈が成り立ちます。

ところで63%と聞いて何か思い出しませんか?

転じて「37%ルール」

当たりを引く確率63%、ハズレを引く確率37%。ここではあえてハズレ確率37%に注目します。

以前の記事でお伝えした秘書問題の中で謎の37%という数字を出しましたが、実はこれを応用しているんです。1/N確率でN回選択する場合、N回全てでハズレる確率は37%。10人の内始めの3人は採用しないというのは、この37%(≒3~4人)が由来です。仮に選択対象が100人だった場合は最初の37人を採用しない(基準を計る)という事です。

世にこれを37%ルールと呼び、もう一度いいますが、覚えていて損のない知識です。

小難しい計算や理屈は忘れて大丈夫です。37%ルールを記憶すればいいんです。これは数学の最適停止問題の最適解であり専門外の凡人が掘り下げたところでなんとなく満足したあと、目がチカチカして遠くを見つめて悦に浸って終わるだけの可能性があります(37%くらい?w)。N回の内37%を排除する事で損失を最小限にした中で利益を最大限に狙える最適なタイミングを狙える、みんな(=37ミンナ)のルール、とでも覚えておきましょう。

関連

秘書問題

浜辺の美女問題

モンティ・ホール問題

 

以上、最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

 

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