コンビニでお釣りが777円の日、FXの勝率は上がるか
前回までのお話「長年努力が報われないなら、手法や相場の勉強より自己環境を疑え」について詳しく説明します。
標題のように、日常のいろんな事がトレードに影響していると認識すべきです。
今回の内容は前・中・後編の中で一番大事な部分ですが、恐らく一番軽視される記事かもしれないと思っています。
なぜなら、手法、理論、資金管理、いずれに該当しない話だからです。
しかし、他ではあまり語られない話かと思うので、変人専業トレーダーの頭の中を覗くつもりで読んでください。
例えば、
上司に怒られた/同僚に侮辱された/部下に笑われた/同窓会で恥をかいた/宝くじが当たった/パチンコで大勝/キャバ嬢からラインが来た/義理チョコだと解っていても心がワクワクしてしまうなどなど、生活していれば何らかの感情が必ずありますよね。
感情は常にあるので普通は無意識ですが、一見トレードに関係のない出来事が行動に影響している可能性も充分に考えられます。
ボーナス時期にロットを増やすのは、単なる自己環境による弊害であって 、相場環境や手法は関係ないという事です。
ちなみに、お釣りの額と勝率に関する相関の研究は報告されていませんが、”ゲン担ぎ”で勝つ人/負ける人の両方がいると思います。
777円ではなくても「今日はいいことありそうだ」とか、「自分へのご褒美の日」「今日だけはこれを自分に許そう」という日もあると思います。
私はかつて「飲みながらトレードすると勝てる」時期があり酔拳と名付けていましたが、しばらく後、ジャッキー同様に封印する結果となりました。 😥
これは極端な例ですが、いくら学習したって負ける例は、いくらでも挙げられます。
自己環境とは
私の言う自己環境とは、自己制御力(セルフコントロール)に影響を与えている環境※、の事です。
※詳細後述
トレードでは自己規律、自制心、意志力、といった自己制御力が大切です。
トレードに限った事ではありませんが、トレーダーは他の職業よりも数段高いレベルで要求されると言って良いでしょう。
(ポジポジ病の人は身に沁みていますよね)
手法や資金管理もトレード中の自己制御力によって遂行されます。
脳の役割分担で言えば、前頭葉の守備範囲ですね。
計算・分析・論理 → 左脳、
全体視野・直感(潜在記憶)・想像力 → 右脳
自己制御力・やる気 → 前頭葉 ⇐ココ
-いきなりコラム-
認識を共有して欲しい”トレーダー最大の敵”
基礎学習を終えたほぼ全てのトレーダーにとって、勝者になる為の一番の壁は、
ロジック、計算力、チャートを読み取る読解力、相場の未来を予測する力など、ではなく、
自分自身の感情です。
断言しますが、超初心者以外の全てのトレーダーにおいて、最も勝敗に影響するのは、感情です。
手法ではありません。
(上級者以上の感情は常に落ちついており勝利に貢献しています。それ以外の人は感情の起伏が激しく敗北に貢献しています)
(感情的な人が負けるという意味でなく”トレード中”の感情の様子という事です)勿論「感情だけ」が敗因ではありませんが、負け原因のシェアNo1は、感情です。
(プロスペクト理論を含みます)※単一のトレードの勝敗の事を言っているのでなく、勝者/敗者を分ける敗因のことです。
しかし、
だからと言って「感情のコントロール力」を身につけようと努力すると失敗します。
感情は本能に近い部分(煩悩/欲)なので、根性で矯正するのは困難だからです。
私も数え切れないくらい失敗しています。
失敗が続くと無力感が増し、ついには挫折を正当化したりします。
「なんだ、自分には才能が無かったか」「どうせ誰も勝てやしない」など意味不明の爽快感と燃え尽き症候群で、勝てない事を当り前だと言い聞かせて相場を去るのです。
(認知的不協和理論・確証バイアス)
そこで、
矯正が困難な感情や、否定すべきでない自己に注目するのでなく、
それらに影響を与えている自己環境に注目するのが、次善でありながら最善の策という訳です。
勉強せずに負けているならタダの勉強不足ですが、再度ホリエモンさんの言葉を借りてFXに言い換えるなら、
勉強を続けて負けているのなら、才能や手法でなく自己環境を疑えです。
※基礎学習を終えているのは前提条件です
自己環境あれこれ
今回の内容は、サラっと言っていますが、実は勝者になる為のコアの内容だと思っています。
ここでの自己環境とは主に下記の事を指しています。
・心身環境
・生活環境
・トレード環境
・心身環境
冠婚葬祭・失恋・出世・出産・有頂天・落胆・極度の疲労・予定にない幸運・闘病・腰痛など、
意識/無意識、良い/悪いを問わず、心身が疲弊、または興奮している状況で、かつこれに対して無自覚なら、どんなに正しい理論であっても理想の結果は得られません。
例えば、最近メディアで取り上げられる”不倫”ですが、
”している人”は理性を失っているので、普段は受け入れられる親しい友人の意見も、180度対立してしまう事が考えられます。
当事者には周囲の声が届かず、自分の正義と外部の常識は異なります。
重要なのは「本人は気づいていない」パターンも多いという事です。
影でトレードに影響を落としている心身環境を自覚するとトレード中の平常心を保ちやすくなります。
、
・生活環境
ひとことで言えば「生活スタイル」が一番近い言葉ですが、
労働時間・時間帯・生活水準・一人暮らし・子持ち・介護中・役職者など、生活の状況や、自分の役割の事も含みます。
子持ちの主婦、一人暮らしの派遣社員、妻子・役職のあるサラリーマン、それぞれ別の形でトレードに影響を受けている筈です。
例えば、深夜しかトレードできないが、昼用の手法しか持っていない場合、手法が悪いのでなく手法を実践する自己環境に問題があります。
生活スタイルと手法が合っていないという事です。
・トレード環境
どこでトレードしているか、どういうものを使ってトレードしているか、という物理的あるいはシステム的な環境です。
ブローカーの制度・売買プラットフォーム(MT4など)・ツールの性能・
最近は”電話注文”という事はないと思いますが、PC/スマホ等、トレードに利用する機器の違いもトレード環境に含まれます。
例えばブローカー制度については、その制度の良し悪しの事を言っているのでなく、その制度に合ったトレードか否かが重要です。
他にも、仕事中のながらトレード、自宅内のトレード環境、スマホ・PCの有無、などがあり、”仕事が悪い”というのでなく、その仕事と共存できるトレードスタイルか否か、という事です。
私もいろいろなツールで弱点を補っています。
まとめ
上記のような自己環境が、良くも悪くもトレードに影響します。
念の為、もう一度補足しておきますが、勉強不足の場合はまず勉強が必要です。
長年の経験者でも、”基礎学習”が疎かにされているケースは決して少なくありません。
しかし、FXの相場環境に関わる学習は、努力すれば誰でも理解できる内容であり、
もし理解できないほど難解な理論を勉強をしているならその勉強は辞めるべきだし、そうでないなら、それ以上勉強を難しくする必要もないです。
従って、(ある程度の経験者なら)どちらにしても相場環境の学習に力を入れる必要性がない。
その上で成績が上がらないのだから、相場や理論学習の問題でなく実行精度や判断力の問題であり、
実行精度は自己の問題であり、自己そのものは悪くないし変えられない(高難度)ので、自己に影響を及ぼしている自己環境を疑え、ということです。
上記の環境問題は、相互/複合的に存在しますが、問題の多さ=問題の深刻さ という訳ではありません。
複数の問題も、ひとつの施策で解決したりします。
問題の種類や量よりも、解決策こそが重要です。
話が長くなりすぎたので具体的な解決策については割愛しますが、他の記事でも言及しているので参考にしていただければと思います。
自己環境ひとつで、いままでの苦労も報われるかもしれません。
長年苦労している人は、しばらく期間試してみると良いでしょう。
ちょっと目にしたニュースに言及するつもりで、ずいぶん話が長くなってしまいましたが、
最後まで読んで頂きありがとうございます。