チャートではなく”フローチャート”
前回、どんな時でもどんな人でもトレード中に即断即決する方法としてフローチャートの活用を上げました。
どんなに優れたトレード手法も、実行出来なければ絵に描いた餅も同然です。
高級車であろうと、車を運転した事がない人が運転すれば、危険なものでしかありません。
ではどうすれば、勝てる手法を「勝てるように使う」事が出来るのか?
自己規律の一言で済ませてしまえばそれまでですが、意識しただけで規律が守れれば苦労しません。
どんな状況でもルールに従うには強いメンタルが必要ですが、
メンタルを養うのに一番効果的なのは経験です。
しかし、個人差もありますが経験には通常、年単位の時間が必要な事もあります。
その時間を埋める効果的なツールとして今回紹介するのが、行動フローチャートです。
もったいつける程の事でもありませんが、非常に効果がありますので是非試してみてください。
これにより、メンタルに左右されないトレード、プロスペクト理論からの脱却が、著しく早く身に付きます。
使い始めたその日から効果が実感できると思います。
それでは、
具体的なフローチャート作成方法を説明します。
ここではエグジットに関するフローチャートを例にとって説明します。
まず、なるべく大きな用紙(A3かB4)を用意します。
無ければA4程度のコピー用紙でも良いですが、大きな方が絶対に良いです。
用紙の向きは縦書でも横でも好きな方で良いです。
縦の場合は上から、横の場合は左端から書き始めます。
横の場合、一番左に「エントリー」と書きます。
その後、相場の動きを想定して、行動を分岐します(出来るだけ二択が良い)
例:エントリー → 順行(含み益)の場合
→ 逆行(含み損)の場合
更に、分岐した1つ1つに更に分岐の条件を想定して付け加えます。
例:順行(含み益)の場合 → 抵抗線に近い場合
→ 付近に抵抗線が無い場合
この様に次々に、想定しうる全てのパターンを予め決めておき、その通りに行動するだけです。
とても単純ですね。
「なんだ、そんな事か」
と思ったあなた!
侮ってはいけません。
人が迷ったり戸惑ったりするのは正しい答えを持っていないからです。
あるいは自信がない・想定外で対処法が解らない場合、
そして目の前の恐怖や欲によって事前の約束を反故にしてしまう本能的反射などがあります。
こういった状況がトレーダーにとって最悪の「不安」という感情を抱かせ、
不安が恐怖に変わるともう正しい判断は出来なくなります。
この恐怖の元になっている「正しい答え」を予め書き出してその通りに行動する事で迷いがなくなり、例えトレードが損失で終わったとしても健全な精神状態で判断・行動する事が出来ます。
フローの分岐に使用する条件は、使用するロジックで全く違うものになります。
また、自然と自分に性格にあった条件を作る事になるので、必然的に弱点が克服されます。
実はこの部分が最も有益です。
自分のロジック専用で、自分の性格用に作られた、非常効率の良いトレーダー教育ツールでもあるのです。
分岐に使用する条件を例に上げると、
○○時~○○時の間である・○○期間MAより上である・4時間足が○○である・別のポジションを保有中である・週初である・○連敗(連勝)後である・飲酒している・睡眠不足である・この後トレードを監視する時間がない・資金が○○ etc…
自分の心身状態や外的要因など、およそ過去にトレードに影響を与えた事のある事はなんでも使う事が出来ます。
恋人とケンカした後に大負けした事があるなら、それを条件に加えても良いでしょう。
精神状態がトレードに影響する事は多々あります。
この様に、正に無限の様にある勝敗を分ける要因の中から、自分に必要なものだけを抽出して視覚化した、自分だけの最強のツールになります。
初めから全ての分岐を書き上げるのは不可能に等しいので、大体のフローを書いたら、実践しながらどんどん条件を加えていって下さい。
不要になったものは消して下さい。
実践して効果の薄かった項目は書き直して下さい。
単純なこの作業だけでフローチャート自体もどんどんパワーアップします。
メンタルを養う・効率良く経験を積む・弱点を強化する・手法を改善する
全てのロジック・メンタル・資金管理の要素をこの紙一枚で表現できます。
最終的にはフローチャートが無くても、最もトレードに適した行動、すなわち自己規律が守れるようになる事が目的です。
今回は長くなりましたが回を分けずに一気に説明しました。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。