目標と目的
トレードに目標値を設定する事は良い事でしょうか?
月間○○円、週間○○pips、などの目標を掲げた場合、
目標達成の為に無理なトレードをして返ってトレードスタイルを崩してしまう事があります。
また、最終的な目的がお金に寄りすぎるとトレードには悪影響があると考えます。
なぜなら、欲求と不安を際立たせる事になりメンタルに影響を与えるからです。
この観点から、冷静な判断力を低下させる目標設定は避けた方が良いでしょう。
それでも目指すべきもの、到達したい地点をより具体的に定めた方が良いと思います。
ではどのようにすれば良いかと言えば、目標と目的を分けて考えると良いでしょう。
少したとえ話をしますと、
イチローはメジャーリーグで首位打者になる事を目標としていた年があるそうです。
その年の、残り数試合でライバルのオドニエス選手に1厘差で負けていました。
イチローは自分の事を『プレッシャーに弱い人間』だと言います。
常にプレッシャーと戦っているとも。
記録やファンの期待を背負ったスーパースターのプレッシャーというのは想像を絶するものがあります。
この時イチローはオドニエスに勝つ為に、オドニエスとの勝負を無視し、
バッティングのパフォーマンスを高めることを考えていたそうです。
もしもオドニエスとの勝負が目的にした場合、オドニエスの打率が下がる事によって目的が達成する事も考えられます。またオドニエスには勝っても首位打者にはなれないかもしれません。
何が言いたいかと言いますと、
『オドニエスに勝つ』という目標は、あくまで『首位打者になる』という目的の通過点に過ぎないと言う事。
そして、
『首位打者になる』という目標は、あくまで『パフォーマンスを向上する』という目的の通過点に過ぎない、と言う事です。
(どこを基準にするかで、目的にも目標にも成る)
目先のプレッシャーに勝つ為に、遠くの大きな目標を見ていたんです。
トレードの習得も同じで
『トレード技術の向上(パフォーマンス)』という目的を目指し続ける過程で、
週間目標などを掲げて達成するのがベターだと思います。
目標の達成は自己の成長段階を確認して自信を付ける助けにもなります。
つまり目的に近づいている事を確かめられる訳です。
目的 > 目標
の関係ですね。
イチローの例で言うと、
パフォーマンスを向上する > 首位打者になる > オドニエスに勝つ
となります。(パフォーマンスを向上する=野球を極める 的に考えれば良いと想います)
目先の利益だけを目的にしてしまうと、
安易にマーチンゲールなどで帳尻を合わせ・その場しのぎの目的達成を狙ってしまい、
たとえ金額的に勝っても、技術の向上が得られません。
初期の段階こそ目に見える成果が欲しくてトレードで無理しがちですが、
本当に力を入れるのは学習や自己規律といったメンタルでしょう。
メンタルやトレードが崩れない範囲で数字的な目標値を掲げる事は大切です。
目標がなければ達成感もないからです。むしろ何も目標を持たずにやるべきではありません。
もし金銭的あるいはpipsなどで目標を定める事によってトレードに悪影響が出るなら、
『一日○回にトレードを絞る』
『一か月は、連敗しても決めたルールを続ける』
『同じミスを繰り返さない』
間違ってはいけないのは、
あくまで、目的達成の為に目標を立てると言う事です。
自分の目的は何でしょうか。
夢は何でしょうか。自分の夢を叶える為に、今日のトレードは正しかったでしょうか。
目の前のトレードに捉われて将来の目的を忘れないようにしましょう。
夢をかなえる目標を立てましょう。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
(参考:戦略・戦術・戦法の違い)