手順は3つ。損失額を先に決め、場所を絞り、ロットは逆算する

別記事で、いかにリスクコントロールが必要か、体験ゲームも含めて理解できたかと思います。

今回はより具体的な方法について解説します。

少額リスクで勝つ手順は、3つ

  1. 自分に最適な1回の損失額を先に決める
  2. 『ここしかない』場所だけで入る
  3. SL幅からロットを逆算する

要点はこうです。

1.1回の損失額

最小でも最大でもなく、最適である必要があります。自分の手法や資金力に対してトレード一回あたりの損失額をいくらにすれば良いか解らない場合はこちらの記事を足がかりにしてください。

バン・K・タープの資金管理ゲームを完全再現|ポジションサイズ研究ゲームセンター

2.『ここしかない』場所で入る

後述します

3.SL幅からロットを逆算

ProEN5を使います。使わない場合は毎回、その時の資金に応じて自分で計算すればOKです。

手順1:1回の許容損失額を決める

許容損失額 = 資金 × 2%(目安)

上記の%は説明の為の目安です。資金の何%まで賭けてよいかを突き詰めた考え方は、ケリー基準とはとオプティマルfとは何かにまとめているのでそちらを参照してください。

この金額はエントリーの前に決めます。入ってからでは、欲と祈りが混ざります。

手順2:「ここしかない」場所だけで入る

「ここしかない」とは、次のような場所です。

  • 最小のSLで入れる場所
  • これを逃したら、しばらく来ないチャンス

車の運転に、「だろう運転」「かもしれない運転」という言葉があります。「かもしれない」とは、悲観的ストーリーを想定した危機管理意識の事ですが、「ここしかない」運転は、「だろう」も「かもしれない」も認めません。迷った時点で、見送りです。

一番の基準は「このチャンスをスルーして、後悔しないか?」です。

この考えが大事

例えば、1万円のリスクを取る事で見込める利益が100万円だとします。※解り易くする為に極端なRRで言っています

この時、1万円を失う確率が90%。10回に9回負ける。ほぼ負け確のような場合でも、期待値は+9万なのでエントリーするに越した事はありません。100万円狙っていようが、その時失うのは1万円だけです。ここでビビるのは愚の極みです。

連敗中は冷静な判断ができなかったり悲観的になっていて損得計算がうまくできなくなります。プロスペクト理論参照

なので、次の事に気を付けて考えてみください。

  1. ここでエントリーしなかった事を、明日の自分は絶対後悔しないか
  2. エントリーした場合の幅(pips)は小さいか(ここは金額や%でなくpipsで考える)
  3. 希望的観測、または悲観的過ぎる予測が入っていないか

1つでも怪しければ、入りません。

これらを満たすチャンスは本当に少ないので四六時中チャートを見るには不向きですが、アラートツールを仕掛けておけば問題ありません。

リバモアをモデルにした名作『欲望と幻想の市場』に、こんな一節があります。大きく儲けさせてくれたのは、考えることではなく、待つことだった(原文は “It never was my thinking that made big money for me. It always was my sitting.”)。

「待てば海路の日和あり」です。

手順3:SL幅からロットを逆算する

pipsが極小であるなら、いつもと同じリスクでロットを上げられます。

ロット(通貨数)= 許容損失額 ÷(SL幅 × 1通貨あたりの1pips損益)

SL幅 ロット 実際の損失 +30pips伸びた時の利益
10pips 1万通貨 1,000円 3,000円
30pips 3,000通貨 900円(≒1,000円) 900円

損失額はほぼ同じなのに利益は3倍になります。これが「最小SL(pips)で入れる場所」を探す理由です。

ただし、近ければ何でもいいわけではありません。ノイズで刈られるほど近いSLは運試しの要素が強くなります。マーケットノイズが少なく、ボラや値動きが緩慢な時間帯の方がお勧めです。

この逆算は電卓でもできますがエントリーのたびに計算していると慣れていても入力ミスや計算ミスが増えます。今の私はEA(ProEN5)に任せています。興味があれば参考にしてください。

副次効果

ブローカーによっては売買Lotに応じたポイント還元制度があり、XMなどもその内の一つです。

リスク額(金額)が同じで、Lotを◯倍にできるという事は、そのままポイント還元も◯倍になります。仮にブレークイーブン(建値決済)でプラマイゼロで逃げたとしても◯倍ポイントがゲットできます。

余談:トレードしてたら大量のご飯を食べるハメになった話。
トレード修行中、国内業者でトレードしていた時、lotに応じて月替りでいろんな食材(レトルトカレーや牛丼が主)が届くサービスを提供するブローカーがありました。一人暮らしの私には大変嬉しいサービスでしたが、ある月の食材が「冷凍パックの炊きたてご飯」でした。そして届いたご飯はなんと段ボール2箱。一人暮らしの冷凍庫には到底入り切らない量だったので、連日ご飯の大食いをした経験があります。それでも、負けている金額の一部でも違った形で還元されるのであれば、そのトレードのRRは(現物支給で)改善されていると言えるので、感謝して美味しくいただきましたw いまも良い思い出です。

その後:エントリー後は決めたとおりに動く

入った後は、SLを遠ざけません。含み益が出たら、SLを建値へ動かして「負けないトレード」にします。やり方は建値SLとは?損切りを建値へ動かすタイミングと私のやり方に書きました。

「ここしかない」場所は、毎日来ません。待つ間にチャートを見続けると疲れます。引いたトレンドラインに価格が触れたら知らせてくれる自作ツール(ProLineT)に、待つ役を任せる手もあります。

負けても納得できる理由(ワケ)

相場に100%はありません。「ここしかない」で入っても、負けることはあります。

違いは、負けの質です。

  • 負けた理由が「想定内の損失」だと分かる
  • 感情が荒れない。取り返そうとしない
  • 次の「ここしかない」を、落ち着いて待てる

あいまいに入った負けは、自分でも理由が分かりません。それが悪しきリベンジトレードの入口です。自分の負けの癖は、再現性と優位性の話に書きました。

コラム:リスクリワード数千倍は実在する
amazon、apple、最近ではnvidiaなど、株価が当初の1000倍を超える企業は多数存在します。日本のセブンイレブンの話も有名ですね。
過去チャートを眺めて「あの時買っていれば」とタラレバを夢想するより、その決断をリアルタイムでしたいものです。もちろん安値で買えたからと言って勝てる保証はありません。利食、増玉、ポートフォリオなど様々な要素で負けるパターンはいくらでも想定できます。ただそれもこれもエントリーしなければ何も始まりません。仮に2000年にamazonに投資して途中の損切りにあって100万円負けたとします。それでも今その2000~3000倍になっている事を考えるとRRの良い投資であり、判断自体は間違っていなかった。むしろ正しい行動をした、と、私なら断言します。問題は-100万円に耐えきれなかったメンタルか、資金管理のどちらかであり、事実株価上昇の結果を見れば投資判断は正しかった訳ですから。
このように、ここで入って負けても本望、といえる場所を意識しておくのが大事だと思います。

よくある質問

Q. 資金1万円でも、この手順は使えますか?

A. 使えます。ただしお使いの業者の最小単位に届かない場所は、見送りです。

Q. SLは何pipsが正解ですか?

A. 正解の幅はありません。通貨ペアと時間足で値動きが違うからです。幅ではなく「そこでエントリーしないならトレードしている意味がない」くらいのRRを意識してください。

Q. 1%ルールは、必ず守るべき数字ですか?

A. 目安です。資金や手法で変わります。ウォール街では1%以上賭ければ猿扱いされますが、それは何億円も他人の金を運用しているエリートトレーダーの話です。大事なのは、自分に合わせて最適化し、事前に決めて守る事です。

Q. 「ここしかない」場所が来なかったら?

A. 何もしません。見送りも、立派なトレードです。損小利大とリスクリワードの違いはこちら。

あわせて読みたい(資金管理シリーズ)

参考にした資料

まとめ

  • 少額リスクの手順は、損失額を決める → 場所を絞る → ロットを逆算する
  • SLが近い「ここしかない」場所だけを取ると、同じリスクで利益が大きくなる

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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